「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「向田邦子熱」(向田邦子研究会)

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向田邦子さんの著作の完全読破を目指していて、半分くらいは来たかな!?今年は目標達成しよう!
 
さてこの本。向田邦子研究会」というのがあるんだね。スゴイわー!本人の文章以外でも向田さんへの想いが伝わってくる一冊だなー!
 
「文章・生き方に魅せられた"向田邦子マニア"の面々が綴った「普通の人のための向田邦子読本」。食通の彼女の愛した店、珠玉の一言、会員が選んだエッセイ・ベストテンなど、向田邦子の魅力を徹底解剖」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
「戦前の尻尾が残っていた頃」大関恭子(主婦)
 
・電車に乗るとき、たいてい本を持って行く。ハンドバッグにいれるから文庫本に限るのだが、読みかけの小説のないときは、向田さんのエッセイを持って出る。飽きないのだ。かえって新しいものが見えてくる。三十代では素通りしていた文に眼が止まる。喪服を着る回数がふえて初めて気づいた心模様もある。
 
隣りの神様を拝むのに七年かかったという向田さんが見える気がするのだ。電車に乗って外の風景を眺めながら、ひょっとしてどこかの窓にライオンが見えるのではないかと眼を凝らす。自動販売機に話しかけている酔っ払いを嫌だと思わなくなっている。向田さんはいろんなものを見せてくれたが、見せてくれなかったものもある。向田さん自身のお話だ。
もっと後のお楽しみ、ととっておかれたのかもしれない恋と男のひとのお話。ないものねだりとわかっていても読んでみたいと思ってしまう。
 
「初めて手にして本は、初恋の人に似ています。初めて身をまかせた男性といえるでしょう」
 
向田さんは胸の奥にどんな想いを棲まわせていたのだろう。ドラマや小説の中に、向田さんの愛した男性の分身がいるようなきがするのだが、生身の姿は見えてこない。向田さんはそのひとと想いをすっぽり隠して、その片鱗を見せてくれなかったのだろうか。夜中の薔薇はそのひとを見たのだろうか。

いいなあ。死後何十年も経って、研究会が続いていて本が出版されるってスゴイことだよね。オススメです。(・∀・)

 

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