「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「キネマの神様」(原田マハ)

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ワタシは映画もドラマもほとんど観ないので、この本が映画化されているとは知らなかった……。(゚A゚;) そおかあ……志村けんが演じるはずだったんだね〜……。
 
無職の娘とダメな父。ふたりに奇跡が舞い降りた! 39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、しかも多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることになった。〈ゴウ〉のハンドルネームで父が書くコラムは思いがけず好評を博し、借金とギャンブル依存から抜け出せそうになるが、ある時〈ローズ・バッド〉を名乗る覗の人物に反論されて……。 〝映画の神様〟が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語」そのエッセンスを紹介しよう。
 
観るたびに思う。映画は旅なのだと。幕開けとともに、一瞬にして観るものを別世界へ連れ出してしまう。名画とはそういうものではないか。そして、エンドロールは旅の終着駅。訪れた先々を、出逢った人々を懐かしむ追走の場所だ。だから長くなっていい。それだけじっくりと、思い出に浸れるのだから。最後の一文が消え去ったとき、旅の余韻を損なわないように、劇場内の明かりはできるだけやわらかく、さりげなく点るのがいい。座席も通路も、適度な高さと角度。ドアや幕は、落ち着いたデザインで、劇場内のすべてが、帰ってきた旅人をあたたかく迎え入れるように。
 
映画はその臨場感こそが、「娯楽」を追求した人類がようやく獲得した至宝だからだ。映画館は一級の美術館であると同時に、舞台、音楽堂、心躍る祭りへの現場でもあるのだ。この世に映画がある限り、人々は映画館へ出かけていくだろう。家族と、友人と、恋人と……ひとり涙したいときには、ひとりぼっちで。人間の普遍的な感情、笑いや涙、恐怖や驚きが映画館にはある。ありとあらゆる人生がある。人間が人間である限り、決して映画館が滅びることはないたまらなく心躍るひとときを求めて、人はきっと映画館に出かけていくのだ。
 
名画は、大輪の花火である。それを仕掛ける川辺がいま、失われつつあることに私は惜しむ。
 
追伸。私の人生最良の映画。それは、君が人生最良だと思っている。あの映画だ。
 
「キネマの神様」「ローズ・バッド」まるでニュー・シネマ・パラダイス」みたいだね。……観たことないけど……!?(笑)オススメです。(・∀・)

 

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