「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「月亭可朝のナニワ博打八景 金持たしたらあかん奴」(吉川潮)

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 その昔、月亭可朝嘆きのボインを聞いたときには、ビックリしたなあ!落語家なのに、帽子をかぶってギターを弾いてけったいな歌を歌っている!そしてストーカー疑惑で逮捕されたことも記憶に新しい。可朝師匠は、ハチャメチャな博打ウチだったとは知らなかった!♪

 
 「ヤクザの凄まじい追い込みをかいくぐり、花札、ポーカー、野球賭博の博打三昧。可朝の行くところ『バクチ天国、借金地獄』。演芸小説の第一人者が贈る痛快ピカレスク芸人伝!」そのエッセンスを紹介しよう。
 
・思えば、我が半生は修羅場の連続だった。競馬、競輪、競艇麻雀、ポーカー、オイチョカブ、そして野球賭博と博打三昧である。最議院選の出馬などは博打の最たるものだろう。当選すれば六年間の歳費が入るが、落選すれば一文無しどころか借金を背負う。まさに一か八かの大勝負だ。
 
野球賭博はなんであきまへんのや」
若い方の刑事が呆れ顔で答えた。
暴力団の資金源になっとるからに決まってるやろ」
そこで可朝は膝を叩いた。
「それやったら大丈夫ですわ。わし、トータルで勝ってますさかい、暴力団の資金を吸い上げてるいうことですわ。お上から表彰状もろうてもええんとちゃいまっか」
「アホか!」大声で怒鳴られた。
 
可朝師匠が交際相手の女性の訴えによりストーカー規制法違反容疑で逮捕されたというニュースが飛び込んできた。信じられなかった。どうしても師匠とストーカー行為が結びつかない。艶福家だから、女性との別れ話がこじれたか痴話喧嘩がエスカレートし、警察沙汰になってしまったに違いないと推測した。
 
逮捕から十日目の朝、師匠から電話があった。いきなりストーカーの可朝だす」と言ったので大笑いした。同時に元気な声を聞いてほっとした。これぞ可朝の本領である。野球賭博で逮捕され、釈放された直後、出演したキャバレーのショーで「極悪人の可朝だす」と挨拶したエピソードを思い出す。
 
参院選に出馬して落選した時、美人局の被害にあって裁判沙汰になった時、仏壇のロウソクから火が出て自宅が全焼した時、単純賭博罪で罰金刑を食らった時、いつも師匠は事件をネタにして洒落のめし、己を笑いものにしてきた。それが可朝という芸人に生き方なのだ。
 
嘆きのボイン』『女は魔物』『カエルの災難』『ひかり号』など。いいなあ。今どき、こんな芸人さんっていなくなったよね〜!一人くらいは出て欲しいよね〜!オススメです。(・∀・)

 

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