笑い話。懲役三年の男に、妻が面会に行く。そして妊娠を知る。男「ウレシイ、そおかあ、やっとおオレたちに子どもが授かったのかあ!」(笑)そのようなハナシは、フィクションではなく、事実だったという話があったんだね。(笑)
「泣いて、ホッコリ。笑ってしんみり。短いけれど大きく深く魂をゆさぶる珠玉の22編」なかでも、妻が他の男の子供を産み、だが、その子を育てる決心をしたのに結局は妻に出て行かれた「ああ、なんてみじめな」のエッセンスを紹介しよう。
私は幾子が妊娠していることを第六週くらいで確信しました。 そうだとしたらいったい誰の子なのだろうと考えはじめたのです。 この半年近く私たちは性交をしていなかったからです。
「パクさんと出合ってから、 あなたと男女の関係を結べなくなったんです。でも、 女として相手はできないけど、 妻や母としてならいっしょに生活できると思う」
離婚から4ヶ月。なぜ、幾子は他の男と寝たのでしょう。 そのことを私にすまないと思わなかったのでしょうか。 私を嫌いになったのなら、妊娠したときに、 なぜ別れるといわなかったのでしょう。 私が父親になるといったのを受け入れたときはどんな気持ちだった のでしょう。 なんだかずっと彼女の手のひらの上で術策にはまっていたような気 がします。