いまでも「志村けんショック」は続いている……。亡くなったなんて信じられない……。 こんなときだからこそ、笑わないとね!
さてワタシが小学校の卒業文集で書いた「尊敬する人 萩本欽一」(笑)コント55号が大好きだった!将来はコメディアンになりたかった!(笑)この本は25年前に書かれた欽ちゃんのお笑いのワザ、お笑いのツボとコツを集めたもの。そのエッセンスを紹介しちゃおう。
・この本は「コメディアン入門書」の形になっています。「笑い」 は決して、コメディアンの所有物ではありません。世間一般に、 たくさん「笑い」があったら、人々はもっと優しくなれる。 ギスギスした人間関係を、もっと和やかな、 暖かいものにすることができるような気がします。
・「人に馴染む」「憎めないヤツ」「人なつっこい」のが、 コメディアンに向いているのではないかと、僕は思っています。
・考えてみてください。難しい国家試験を受けて、 合格をしなければなれないお医者さんや弁護士さんよりも、 コメディアンの方が数は少ないのです。 しかもコメディアンになるのには教科書も、参考書もありません。 自分で教科書を作って、それを覚えて、 実践してゆかなければならないんです。
・「人間は、眼を合わせると笑っちゃう」ものなんです。 誰も笑ってくれない。そんな時に笑わせるコツは、 一番笑いそうな人の眼を見ながら、話すのです。 眼を合わせて話すと、その人は笑ってくれるはずです。 一人が笑えば、それに釣られて、他の人も笑いだします。これを「 一本釣り」と、言うんですね。観客の乗りの悪いときは、 舞台でコメディアンも、この手を使います。
・コントは作るのではなく、気付くもの、 発見するものじゃないかという気がする。
・コントの発想法
1 「普通であって、普通でない」を見つける
2 組み合わせを替えてみる
3 性格の足し算をしてみる
4 夜空の星を見つめている
5 尻取りをしてみる
6 (忘れた)
7 (勿体なくて、言えない)
8 (親戚にも話してない)
9 (あと5年したら、話す)
10 昔やったコントを、一部手直しをして、 ディレクターにばれないかと、怯えながら、こっそりと使う( ダラシがない)。
・コントを発見する上で効率のいい方法、 それは一人でこっそりと「尻取り」をしてみるんです。「鯵」→「 自転車」→「三味線」→「洗濯バサミ」→「惨めなヤツ」→「 つっかえ棒」→「うっかり」→「理屈屋」→「野菜炒め」→「 目の敵」→「気まぐれ」→「恋愛」→「いじましい」→「 意地っ張り」→「リトマス試験紙」など。普通は、 絶対に思いつくことのない組み合わせが、 いくつも出来るんですね。
・コントばかりではなく、芸能界では「すいません」 という言葉を余り聞きません。叱られて「すいません」 と言ってしまうと、その場を暗くしてしまうんです。
・「いじめ」には「ボケ」で対応するのがいいんです。「いじめ」 に対して、明るくおどけてみせる。そうされると、 いじめようという気が殺がれてしまいます。一番カンタンなのは、 声の調子を高くするんです。
・あるとき小学生の息子が、 学校へ行きたくないと登校拒否を始めたんです。「おまえ、 学校へゆきたくないんだってな。だったら、 無理にいくことはないよ。家で、じっとしているといい。 その代わり、学校にもゆきたくないというのは、 一種の病気なんだから、自分の部屋からは出てきちゃいけないよ。 じっと、部屋で寝ているんだよ」というのが、 僕が彼に課したルールです。三日後には、 彼は自分から学校にゆきたいと言い出しました。でも、 僕は簡単にそれを許さない。「明日から、学校にいっても、又、 ゆきたくなくなるかも知れないよ。念のために、後四日休んで、 学校へゆくなら、来週からにしたらいい」というやって、一週間、 半ば強制的に、休ませてから学校にゆかせました。「 休みたいから、休む」を「休みたくないけど、休む」 に変化させて、更に「休まずに、学校にゆきたい」 という自発的な気分にさせてやったわけです。それ以来、彼は、 学校にゆきたくない、とは二度とは言わなくなりました。