最近ハマっている蕪木和夫さんの本。バラエティに富んでいて読ませるんだよね。
さてこの本。「演芸、スポーツ、創作と三つの分野において突出した名コンビの出会いを中心に得難いパートナーを得て、大輪の花を咲かせるに至ったかを紡いでゆく」そのエッセンスを紹介しよう。
コント55号には他の笑売人には見られぬ二つの魅力があった。 一つは絶対に下ネタを取り扱わないことだった。 下ネタというのは笑いを取り易い。だが、 55号はあえてそれを捨てたのだ。 下ネタという笑いの近道を通ろうとせず、 故意に遠回りの道を選んだあたりのスケールがもはや、 そのへんのタレントとは違っていたと言えるだろう。そして、 もう一つ。「お昼のゴールデンショー」 という帯番組の中で見せるコントでは同じネタをけっしてやらなか ったというのも凄かったように思う。 ギャグというのは生鮮食品とよく似ている。 日々新たなコントに取り組んでいたのだ。 欽ちゃんこと萩本欽一こそは日本一のツッコミだった。 そのツッコミの第一人者が“ボケの天才” と賞賛したのが二郎さんこと坂上二郎だった。「 ボクは二郎さんのボケ芸を引き出したかった」 と欽ちゃんは述懐する。
欽ちゃんはアドリブの天才だ。 それはこの人とシロウトを絡ませるとよくわかる。 得意のいじり芸でただのシロウトさんさえ、 そこそこのコメディアンに仕立ててしまう芸はハンパじゃない。 ビートたけしも典型的ないじり芸の主だが、 彼は俎上にネタをのせ、 あくまで自分の包丁でしかさばけないしかし、萩本欽一の場合は、 相手の包丁でも自在に使いこなせる幅を有している。 そこが二人の大きな相違点ではないだろうか。
その他、「ウサギとカメとの激突 横山やすし・西川きよし」「爆笑!夫婦漫才のチャンピオン 宮川大助・花子」「シュールなギャグで笑いの革命児 ダウンタウン 松本人志・浜田雅功」「落ちこぼれから若者の教祖へ とんねるず 石橋貴明・木梨憲武」「角界の花・花田一族の集大成 若乃花勝・貴乃花光司」「平成の魔術師と天才打者 仰木彬・イチロー」「 新しいKEIBAの時代をつくったアイドルジョッキーと怪物 武豊・オグリキャップ」「 鬼に金棒の伝説をターフに刻んだ最強コンビ 岡部幸雄・シンボリルドルフ」「名監督と天才役者 山田洋次・渥美清」「マンガ界最強のタッグ 藤子不二雄」「史上最高のコミックソングを作った二人 青島幸男・植木等」「 B級エンターテインメント映画にこだわる史上最強の監督亭主に女 優妻 伊丹十三・宮本信子」「時代劇不滅の名コンビ 小池一夫・小島剛夕」「若者たちのBGM・ユーミンサウンド 松任谷由実・松任谷正隆」「 あの世とこの世に別れてもドラマにつながる昭和の詩 向田邦子・久世光彦」など。
ワタシの小学校の卒業文集で「尊敬する人 萩本欽一」と書いた。(笑)大好きだったんだな。(笑)オススメです!♪(・∀・)