「アナウンサーが教える 愛される話し方」（吉川美代子）

アナウンサーが教える 愛される話し方 (朝日新書)

TBSアナウンサーの吉川美代子さん。安定した安心できるアナウンサーだよね。プロ中のプロ。「女子アナ」という言葉が誕生する前から見ている。もう還暦を過ぎているとはとても思えないっ！

「話し方で損をしていませんか。 声の出し方を工夫するだけで、新しい「あなた」が生まれます！友だちから敬遠された、仕事で相手を怒らせた・・・間違えた言い方や表現の仕方で失敗した人に、アナウンサー歴37年のカリスマ女性アナウンサーが「愛される話し方」を伝授します。スピーチやプレゼンテーションが見違えるように上手になり、
自分の声に対するコンプレックスも解消されます。自分を変えたい方、必読です!
また、タレント化する「女子アナ」の問題点についても触れる」そのエッセンスを紹介しよう。

 

・本書でいちばん伝えたいことは、声は、その人だけのもの、つまり人格そのものであるということです。そして、その声を使って語られる言葉はその人の心から出るもの、つまり、生き方そのものであるということです。アナウンサーもはじめは言葉のプロではありません。悩み、失敗し、努力して、声と言葉、話し方を体得するのです。この本には37年間で私が得たものをすべて書いたつもりです。

 

・渡辺健太郎さんは、王貞治選手がホームラン世界新記録の756号を打ったとき（1977年）の実況アナウンサーでした。「後悔していることがある。王がホームランを打ったとき、何年何月何日、何時何分と言うべきだった。歴史的一瞬の実況だったのだから。後年、この録音は何度も放送されるはず。日時を入れていたら、記録としても役に立つはずだった」

 

・まず、ほとんどの人は良い声です。自分で良い声と思えさせなくさせてしまう理由いは、その方のなにか下心、つまり表現しないでおこう、なにかを隠しておこうという意識が、発声にかかわる筋肉に影響を与え、不自然な緊張をもたらすためということがあげられます。

 

・発声時に余分な力が入っていない、リラックスした「ゼロの声」には、多くの人が聞いて、良いと感じるものがあります。このような声の持ち主が、良い声の人、美声の人と言われます。著名な歌手や俳優、そして、ナレーターや声優には、ゼロの声の良い人がたくさんいます。

 

・うまく話せるかどうかは心の問題です。心を込めましょう。思っていることを素直に言えばいい。ほんとうに気持ちを出せば、相手の心にストレートに響きます。DJポリスは、命令口調ではなく、怒りがなく、喜ぶ若者の気持ちを受け止め、騒ぎを起こしてけがをしないように心から思って交通整理にあたっていたに違いないのです。心がこもった声という好例です。

 

・ダメなスピーチ

 

１　心がこもっていない。誠意を感じない。

２　原稿から目を離さず下を向いたまま棒読みする

３　声に力がない。弱々しい。

４　主語と述語がよくわからない

５　センテンスが長すぎる

６　話し方が速すぎる

７　話し方が遅すぎる

８　名前や会社名など固有名詞を間違える

９　TPOを無視した内容、場違いな表現

10　陳腐な言い回し

 

「一姫二太郎」「役不足」「わたし的には」「みたいな」「という感じ」「〜のほう」「させていただきます」「わたしのような者が」「一応、大学に通っています、一応、社長をやっています」「してみたいと思います」「お父さん、お母さん」「ら抜き言葉」「とりあえず」「妙に」「ある意味」「自問自答の「うん」」「同じ高さの目線で心を開かせる」「毒蝮三太夫さんの愛情表現」など。

 

「帰り道の実況中継」「営業トークのコツ（自分の体験で感動させる）」のトレーニングはすぐ使えるねー！オススメです。(・∀・)

 

アナウンサーが教える 愛される話し方 (朝日新書)