笑うふたり―語る名人、聞く達人 高田文夫対談集 (中公文庫)
お正月はナントいってもお笑いだよね。笑って一年を祈願したいよね。さあ、この本はもう18年前の本だけど。お笑いの第一人者のインタビュー集。
「伊東四朗、三木のり平、イッセー尾形、萩本欽一、谷啓、春風亭小朝、青島幸男、三宅裕司、立川談志―笑いに人生を賭けてきた男たちに、業界きっての聞き上手が聞く、日本のお笑いの過去、現在、そして未来。高田文夫の“笑いの二部作”」中でも立川談志師匠の談話を紹介しよう。
・神様の第一の失敗は、コロンブスに天罰を与えなかったこと。コロンブスはバカだから帰ってきちゃって、「地球は丸い」なんて言い出した。地球は平らなんだから。(笑)九州から台湾まで平らだろう。スエズからマルセイユまでだって平らでしょう。どう考えたって丸いわけがない(笑)。ねえ、それを「平らじゃない」なんてグズグズ言うやつは、向こうでザーッと滝に落っことして殺しちゃうとかね(笑)。神様のやつ、バカで手を抜いたから、コロンブスが帰っちゃった。
・始末の悪いことに、ニュートンだとかデカルトだとかってやつらが出てきて、万有引力の法則だとかいろんな能書きこくようになっちゃった。この文明を肯定しちゃったんだ。いま生きてる三次元の世界を肯定しちゃったんだ、無理やり。つまり「ここに机があって、ビールが置いてある」っていうのを物理的に肯定しちゃったんだね。どうもそれが、俺は信用できないんだよね。そんな風に肯定しちゃったもんだから、この壁をつき破って行けなくなっちゃたんだ。じゃ、突き破って行けるのかといったら、行けるんですよ。麻薬やるとな。(笑)
・ガンはいいですよ(笑)。なにがいいって、未練の整理にいい。整理が苦痛だっていうやつは、飛行機に乗って落っこっちゃった方がいいかもしれないけど。で、今回、手術したりして体が痛いからって、モルヒネ打たれたりしたんですよ。見舞いに来た毒蝮(三太夫)が「モルヒネ久弥」なんていいやがったけど。
・入院してほんとに酒が飲みたくなったんで医者にそう言ったら「師匠、飲むのはいいけれど、駄駄羅に飲むのはやめてください」って言うから「待ってくれ。酒って駄駄羅に飲むもんじゃないの?」っつったわけよ。酒は「人間を駄目にするもの」じゃあなくて、酒は「人間というものは元々駄目なもんだと教えてる」んだよ。
いいねえ!その通りだね。「歌はイヤなことを忘れるためではなく、忘れなくさせるために歌うのだ」を思い出した。オススメです。(・∀・)