「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「再生」(野村貴仁)

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再生

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KAT-TUNのメンバーが大麻取締法で逮捕されたよね……ここ数年この話題が多いよね……。そして記憶に新しいのが清原和博だよね……。ショックだったよね……。

 

さてこの本。清原和博に薬物を渡したといわれる元ジャイアンツの野村貴仁の手記。

「明も暗もどん底も、ここに記す。2016年2月、”ヘルメットおじさん”でメディアに登場した著者は、かつてのファンに衝撃を与えた。いったい何があったのか?違法薬物との関係は?栄光、悲哀、けが、クスリ、メジャーリーグへの挑戦、引退後の逮捕、そして――。波瀾の半生をありのままに語り、新たな一歩を踏み出す」そのエッセンスを紹介しよう。


・プロの世界で初めて三振を奪った相手バッターが清原ならば、もっとも調子が良かった1993年で、唯一となるホームランを喫したのも清原だった。2007年電話で怒鳴りつけたのを最後に、直接会うことはもちろんのこと、言葉すらかわしていなかったが、間接的な形でまたもや俺の人生に絡みついてきた。169センチしかな身長をハンデを感じ、それを補うための努力を積み重ねながら、弱肉強食プロの世界で生き残ろうと愚直に前を向き続けてきた。本書からなにかを感じとってもらえたら、これほどうれしいことはない。


外木場義郎さんの言葉「打たれたときほど胸を張れ。ピンチになっても、堂々としていろ。そうしていれば、相手は『まぐれで打てたのか』と思うようになる」


・世界一の格闘家を目指し、腹筋と腕立て伏せに明け暮れた高校時代の財産の後押しもあって、いつしか名誉ある称号をいただくようにもなった。「日本でだれよりも速く振るピッチャー」


・絶好調だった1993年、プロ19年目を迎えていた大ベテラン、西本聖さんは俺のピッチングを見て、ピッチングコーチの山口高志さんにこう言った。「1イニングだけに限れば、12球団でナンバーワンじゃないですか」。抑えやセットアッパーとして起用すれば、ますます相手のチームの脅威になると太鼓判を押してくれた。



・1996年シーズンの好不調の波の原因は鼻炎だ。この年に加入した元メジャーリーガーのフレーザーが俺に緑色のカプセルを数錠手渡してくれた。「コーヒーに入れて飲むと、驚くほど体が楽になるぞ」それが興奮剤の一種「グリーニー」だった。当時の厚生省から医薬品として承認されていなかったが、麻薬や向精神薬、指定薬物の規制もまた受けていなかった。禁止薬物として指定されたのはその2年後だった。そうした状況で俺はグリーニーを服用することに対して罪悪感の類を抱いていなかった。しかし1997年、フレーザーが「あのクスリが手に入らなくなった。闘争心がなくなる」と頭を抱えだした。


・ある日のこと、背後から清原にいきなり声をかけられた。「おう、マリファナやったことがあるか」「いいえ、ありません」「マリファナ仕入れてもらえんか」覚せい剤入りのコーヒーを飲み干した効果か、広島カープとの三連戦で、清原は3試合連続のホームランを放っている。よほどうれしかったのか。ほかのチームメイトが大勢いるにもかかわらず、ベンチで俺を見つけては、異常なテンパり方で奇声をあげる「これか!○○○がホームランを連発している理由は!」その瞬間、俺は顔面蒼白になって清原を制止している。「先輩、頼みますからそんなでかい声、出さんといてください」


・ほかにもエピソードはあるがこのへんで止めておく。もはや野球のためではない。巨人のプレッシャーから逃れるためでもない。清原は快感を得るための手段として、覚せい剤を位置付けている


当時の巨人の主力選手でグリーニーを服用していなかったのは、俺が知っているところではピッチャーで槙原寛己さん、桑田真澄さん、そして高橋尚成で、バッターでは松井秀喜くらい、ほか何名か、といったところだろうか。

 

……赤裸々だなあ……。生々しいなあ……凄いなあ。タイトルどおり再生してほしいなあ……。オススメです。

 

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