「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「球界の野良犬」(愛甲猛)

f:id:lp6ac4:20190625221530j:plain

球界の野良犬 (宝島SUGOI文庫)

球界の野良犬 (宝島SUGOI文庫)

  • 作者:愛甲 猛
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2011/01/12
  • メディア: 文庫
 

 甲子園の優勝投手、数々あれど、ワタシにとって印象的なのは横浜高校愛甲猛だ。実は「球界の野良犬」なんだって。(笑)

 

「1980年、ドラフト1位でロッテから指名され入団し、中日移籍後は代打の切り札として活躍した往年の名選手・愛甲猛。その愛甲氏が、甲子園優勝からプロ野球入団、そして現役引退後の生活を赤裸々に綴った問題作『球界の野良犬』が文庫になって登場。甲子園時代の喫煙・補導にはじまり、プロ入り後の薬物汚染、悪友たちとのトラブル、そして失踪……。表と裏を渡り歩いた波乱万丈の野球人生」そのエッセンスを紹介しよう。

 
甲子園で全国制覇、20年のプロ野球人生、535試合連続フルイニング出場のパ・リーグ記録は誇りの一つだ。とことんやったからこそ達成できた、と今でも信じている。しかし、ドーピングだけは違った確実に身体を蝕んでいる。痛みを抑えるためにさらなる劇薬を打ち続け、肉体は取り返しのつかないところまできていた。もがき、苦しみ、のたうちまわることなど想像もせず、イオニアを目指したツケだった。このシーズン、3割8分7厘と生涯最高打率を達成できた。最後にありったけの力を出せたが、代打成功で喝采を浴びれば浴びるほど、選手生命は確実に短くなっていた。引退後、地獄の痛みを味わうことになろうとは、このときはまだ知る由もなかった。
 
中学のころ、初めて「アンパン」つまりシンナーをやった。純トロと呼ばれるシンナーをティッシュに染み込ませ、ビニールに入れて吸うのである。吸っているとイヤなことなど忘れられ、すべてが楽しくなった。お年玉をもらうと、新宿にいって純トロを買って帰った。アンパン中毒のSには言語障害があった。フィレオフィッシュが言えず、後輩にマクドナルドにパシリに遣わせるときなど「サカナ買ってこい」。右と左がわからないSは、初詣の帰りにタクシーに乗車、運転手さんに「は、箸持つほうに曲がれ!」卒業証書のもらい方に関しても「箸持つほう、次に茶碗持つほうと出すんだぞ」と教えた思い出がある。仲間と一緒に暴走族の集会に顔を出し始めたのもこのころだ。
 
 
プロ野球選手には独特のオーラを備えた人物がいる。俺の知る限り、長嶋茂雄王貞治落合博満の3人は何とも言えない後光が差していたが、キヨ(清原和博もその一人だ。
 
 
ある日、観客の数を数えたら98人しかいなかった。ある日、カップルがセックスしていた。ある日、外野で流しソーメンをしている客がいた。ホントかよ、と思われるかもしれないが、これらはすべて実話である。麻雀、柔道の乱取り、打ち上げ花火も眼にした。ロッテの選手が3本ホームランを打った試合では、スタンドに投げたマスコット人形を3個とも同じファンが手にしたほどである。「数えるほど」とはよく言うが、実際に数えられるのだ。横浜高校の試合のほうが観客も多かった。
 
 
・人心掌握術に長けていたのも星野監督の特徴だった。優勝した平成11年のシーズン中のこと。前の日に活躍した俺は、監督室に呼ばれた。「愛甲、昨日はよく打った。どれでも好きなもの、持っていけ」机の上にあったのは、亡くなったばかりに奥さんの形見だった。宝石を一つ手にするとちゃんとカミさんにやれよ。他の女にやるんじゃないぞ」と笑う。
 
「恐怖の神様「3年生」」「人生が変わった夏」「4800万回の題目」など。リアルだなあ。今なら出版禁止になるかもね。野球ファン必読。オススメです。(・∀・)♪

 

f:id:lp6ac4:20190625221530j:plain 

球界の野良犬 (宝島SUGOI文庫)

球界の野良犬 (宝島SUGOI文庫)

  • 作者:愛甲 猛
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2011/01/12
  • メディア: 文庫