全作品読破を目指しているミステリーの巨匠、東野圭吾。次から次へ出版される新作が続き、数作品は未読だったので、久しぶりに読みました。これもケッサク!(・∀・)
「突然行方不明になった町の人気娘・佐織が、数年後に遺体となって発見された。容疑者はかつて草薙が担当した少女殺害事件で無罪となった男。だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。さらにその男が、堂々と遺族たちの前に現れたことで、町全体を「憎悪と義憤」の空気が覆う。かつて、佐織が町中を熱狂させた秋祭りの季節がやってきた。パレード当日、復讐劇はいかにして遂げられたか。
殺害方法は?アリバイトリックは?超難問に突き当たった草薙は、アメリカ帰りの湯川に助けを求める」その中で湯川の名言を紹介しよう。
・「年に一度のパレードの最中、殺人容疑で処分保留中の人物が謎の死を遂げた。そして被害者の遺族たちには絵に描いたような鉄壁のアリバイがある。これが単なる偶然と片付けられるほど、僕は能天気な人間ではない」。
・「学生の科学実験なんかでもよくある。大抵の場合、実験の結果がどうなるかは学生たちもわかっている。だから彼等は、好ましい結果が出るように作業を行う。時には計測器の目盛りを多めに読んだり、少なめに読んだりしながらね。それで狙いに近い結果が得られたら満足してしまい、自分たちが根本的なミスを犯していたことに気づかなかったりする。正しく実験が行われたかどうかを判断するには、どんな結果が出るかなんて、知らないほうがいいんだ。それと同様、パズルのピースの正体も明かさないほうがいいと僕は判断した。答えに客観性をもたせたかったというのは、そういうことだ」
・「自分に置き換えてみました。憎んでも憎み足りない人間がいたとします。何とか復讐したいと思った。でもその人物を殺せば自分が疑われるのは間違いない。すると親友が、自分が代わりに殺してやるといいだした。殺してやるから、おまえは完璧なアリバイを作っておけという。ありがたい話ではあります。しかし果たしてそんな話に乗るだろうか。下手をすれば親友が刑務所行きです。僕なら乗りません。そんな話には乗りません。そして並木さん、あなたも乗らないだろうと思うんですいかがでしょうか」
・「ご存知ですか。お茶も花が咲くでしょう?だから花言葉もちゃんとあるんです。お茶の花言葉は『追憶』です。そして『純愛』」。
・「僕には苦い経験があるんです。以前にも似たようなことがありました。愛する女性のために、すべての罪を背負おうとした男がいたんです。でも僕が真相を暴いたために、その女性は良心の呵責に耐えきれなくなり、結果的には彼の献身は水泡に帰してしまいました。同じようなことはもう繰り返したくない、という気持ちがあります」。
ワタシの大好きな「容疑者Xの献身」の姉妹編ともいえる内容。愛情と憎悪、夢と家族、様々な思いが交差する。そしてラストの大どんでん返しの、それまた大どんでん返し!超オススメです。(・∀・)