「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「プロ野球にとって正義とは何か 落合解任と「プロの流儀」

プロ野球にとって正義とは何か 落合解任と「プロの流儀」VS.「会社の論理」 (知的発見!BOOKS)


今年もプロ野球が終わろうとしている……わがジャイアンツは、クライマックスシリーズ進出とはいえ、勝率5割に満たない3位……高橋監督の解任→原監督の3度めの就任。ああ〜〜つまらない野球だったなあ…やっぱり勝たないとねえ……(笑)


さて、この本は、以前からずっと思っていた疑問に答えてくれました!「2011年9月、落合監督解任…なぜ、成果を出しても評価されなかったのか?愛知県出身、ドラフト取材歴30年の著者が関係者から聞いた現場vs.フロントの全内幕!」そのエッセンスを紹介しよう。


2003年オフに就任、1年目でいきなりリーグ優勝、8年連続Aクラス、優勝4回、日本一1回という中日の球団史上イチの快挙を成し遂げ「勝つことが最大のファンサービス」のコンセプトのもと、成果主義、秘密主義が徹底された落合博満監督。しかし勝ち続けたとはいえ、深刻なファン離れと人件費の高騰が球団経営を圧迫した。その結果として「落合切り」とファンからもOBからも圧倒的な人気を誇る高木守道監督の就任へとつながった。これはまさに、新自由主義から絆を重視する国民性への変化に沿ったものといっても過言ではない。いずれにしても「プロにとっての正義」と「会社にとっての正義」の間に大きな溝ができた瞬間に具現化した現象といえるのではないか。


・勝って結果を残しても、勝つことが当たり前になっていくと、今度はファンは「おもしろい野球」を求めていくようになる。つまり、今度は「おもしろくて勝つ野球」を求めていくようになる。ただ、いまの野球を突きつめていけば、現実には確実に勝つ野球を追求していくと、傍目の「おもしろさ」からは遠ざかっていくのもたしかである。落合野球の8年間は、そんな現実を見せてくれたのではないか。結果、契約を打ち切り不可解な解任劇とも映った。


落合が目指していた「勝つ野球」とは「守り切る野球」だった。こういう野球はコアなファンは喜ぶけれども、大衆のファンにとってはつまらない野球になっていく。


・チームの成績ということだけでいえば、文句をつけようがない実績を上げてきたスタッフの解雇。そこにはプロ野球球団に求められるものは、果たしてなんなのだろうか」という根本的なテーマが浮き彫りにされている。つまり本当の目的は勝つことだったのか、それとも儲けることだったのか……。


ファンはプロ野球に何を求めているのだろうか。桜の花のような、咲いて、散って、また咲いてという、そんな変化を楽しんでいるのかもしれない。天下を取ったものの、あっさり本能寺で散った信長。それは、あたかも桜の花のようでもある。情報が大事なのは戦国の世もいまの時代も同じだ。戦国武将の中でも信長の人気が高いことは、プロ野球球団にも何かしらのヒントになるのではないだろうか。


極端なことをいえば、球団にとって一番いいのは、毎年優勝争いをしていながらも、それでいて、ずっこけたりしながら、何年かに一回優勝すればいいということになる。そんな優勝であれば喜びも爆発するというものだ。つまり、そんな状況を毎年維持していってくれえることが、本当のことをいうと、最も経営効率がいいのかもしれない。


そもそも「落合就任といいう誤算」ということだったのかあ……。落合が就任しなければ、勝たなければよかったってことね。(笑)本音とタテマエがあるよね。わかるわかる。プロ野球ファン必読!オススメです。(・∀・)



プロ野球にとって正義とは何か 落合解任と「プロの流儀」VS.「会社の論理」 (知的発見!BOOKS)