酒場のギター弾き 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「10・8 巨人vs.中日 史上最高の決戦」(鷲田康)

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・この94年という年は、ジャイアンにとっては球団創立60周年というメモリアルイヤーで、親会社の読売新聞社にとっても創刊120周年という節目の年だった。92年オフに13年ぶりに巨人の監督に復活した長嶋は、1年目の93年のシーズンは3位に終わり、オフに賛否両論が渦巻く仲、大補強を行った。年俸3億7000万円、当時としたら破格の年俸で、中日からフリーエージェントとなった落合博満を獲得したのだ。それだけにこの
シーズンは負けることは許されない。そんなムードに包まれ、優勝が至上命令とされた年だったわけである。中日との最終戦同率首位決戦「もはや国民的行事」という言葉が踊っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「いいか、オレには判るんだ。勝つのは我々なんだよ。点差だって判っている。とにかく我々が……いいか、我々は絶対に勝てる。さあ、みんなで『絶対に勝つ!』と言おうじゃないか!」腹の底から絞り出すような声で長嶋がこう叫んだという。「勝つ!勝つ!オレたちが絶対に勝つ!」この声に部屋の中は一種の催眠状態に陥った。
 
・10・8決戦」を語る上で、避けて通ることのできない問題は、中日の継投である。槙原寛己斎藤雅樹桑田真澄投手三本柱を惜しげもなく投入した長嶋に対し、なぜ高木は先発のエース今中慎二が打ち込まれた後は、左のワンポイントのう山田喜久夫を挟んで佐藤秀樹、野中徹博という継投を選択したのか。なぜ、先発の柱だった山本昌広や抑えの切り札った郭源治らを投入しなかったのか
 
・高木「郭源治の性格的なことも考えました。勢いに乗せて出すと非常にいいピッチングをするんですが、負けている場面で出すと、というところもありましたから。防御率のタイトルがかかっているのに、負け試合の気分の乗らないところでマウンドに上げるのは、ちょっと可哀想だなという気持ちが私の中にあったんです」
 
・高橋三千丈の試合前のミーティング。とにかくきょうは全員で行くぞ!みんないつでも行けるように、準備しておいてくれ!」山本も郭も、指名されればマウンドに上がるつもりはあった。だから試合中もブルペンでピッチング練習をして、スタンバイはしていた。だが、高木がこの二人の投手をマウンドに上がらせることはなかった。それは長嶋さんと私の違いかもしれないですね。長嶋さん事あれば『さあ、行くぞ!』と普段とはまったく違った考え方、やり方でいくタイプですが、私は普段どおりにスッと入っていくタイプそれは現役時代からそうでしたから」
 
高木と長嶋。その二人の将の野球に対するアプローチの仕方の違いが、土壇場でくっきりと出たということができるかもしれない。それは現役でプレーしている頃から、実は高木の中には長嶋という存在が色濃く影響を与え、その長嶋とは違う自分、という意識が野球観の中に強く影を落としてきたのだった。
 
中村武志は言う「勝ちたいという気持ちは自分たちも巨人の選手も同じぐらいに強かったと思うんです。ただ、それでは絶対に負けられない、という気持ちを中日の選手がどれだけ持っていたのか……その違いがあの試合で巨人の選手と僕たちの一番大きな部分ではなかったかと思います。グラウンドに立った瞬間に、巨人の選手、特に落合さんが見せていた悲壮感というか、思い詰めたムードに圧倒されてしまってその違いが結果に出たというのはあったと思います」
 
・この勝者と敗者のわずかな差は、運、不運だけではないのも確かなことだった。「伝統」と長嶋は言う。「体質」と高木は言った。二つの球団に脈々と受け継がれてきた歴史ーそれこそがこのプロ野球史上かつてない「10・8決戦」という最高の試合の明暗を分ける必然だったのである。
 
・1994年10月8日、ナゴヤ球場で3時間22分にわたった巨人と中日が繰り広げた死闘は、両チームの監督、コーチ、選手だけではく、両球団のフロントスタッフ、取材したマスコミや周辺の関係者、そして徹夜で並びチケットを手に入れた両チームのファンとテレビを通じて見守った全国の野球ファン……その誰の心にも消えることのない強烈なインパクトを残した戦いだった。野球というスポーツの醍醐味、プロ野球が持つ緊迫感、そして人と人がすべてをなげうって戦った人間ドラマとして「10・8」は、まさに「究極の試合」であった。

 

いや〜思い出すなあ。野球ってやっぱりいいよね〜!球春が待ち遠しい!野球ファン必読っ!オススメです。(・∀・)

 

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