水木さんの「毎日を生きる」 角川SSC新書 (角川SSC新書)
大器晩成という言葉がある。人生の後半に輝かしい実績を上げている人だ。漫画界ではやなせたかしさんと水木しげるさんだろう。なにせ40歳を超えた頃からようやく食えるようになったというのだから。(笑)
さてこの本。「太平洋戦争で片手を失うという過酷な経験をしながらも、自らの力と信念、そして時代の流れを読む勘のよさで、漫画家人生を切り開いてきた水木しげるさん。2012年に90歳を迎える水木さんは、「何があっても生きたかったんです」と語ります。東日本大震災後、将来不安の高まりとともに生きづらさが増す中、少しでも幸せ感を持って過ごすための水木流「生きる知恵」とは?」
そのエッセンスを紹介しよう。
・水木さんはご自分のことを「水木サン」と呼んでいる。本名、武良(むら)茂。神戸市兵庫区で経営していたアパート・水木荘から。
・(東日本大震災の)被害を受けたところは大変だけど、現代の日本だから、まだモノがある。それに対して、戦争ではとにかくモノがない。それに戦争では、何もしなくても人が次々に死んでいきますから。戦争は怖い。敵がじわじわと、目に見えて近づいてくる。その怖さといったら、もう。
・自殺する人は、それが幸せだと思って死ぬんです。止める必要はないんじゃないですか。
・金がないと、心が変になってしまう。だって、そもそも楽しさとか笑いとか、そのベースにあるのは金です。さらに、いまは金がないと笑えない社会になっているからねえ。
・文句というのは、成功しなかった者の言い訳にしかすぎないということです。
・本当は固定した幸せなんてないんですよ。つかまえたと思った瞬間、逃げているから。
・ぼんやりしているのは楽しいですね。何もしない時間をつくる。そのほうが次の仕事につながる。
ぼんやりすることって大切なんだね、オススメです。(・∀・)