くじけてなるものか 笹川良一が現代に放つ警句80 (幻冬舎文庫)
ワタシが大尊敬申し上げている笹川良一氏。この本は刺激的だ!!!
「治にいて乱を忘れず、である」「自分だけがひとり勝ちしようとするから、憎まれる」「孫と遊ぶのが楽しくなったら、人生オシマイだ」……“昭和の傑物”笹川良一が遺した国家論、企業論、人生訓。先見の明を持ち、時代を切り拓いた笹川が放つ警句は、日本人が“当たり前”を捨て去った今こそ必読。そのエッセンスを紹介しよう。
・エネルギーの節約が急務となっている。わたしは運動をかねて、できるだけエレベーターには乗らない。降りるときには、たとえ40階以上であっても階段を使う。みんながこうすれば、エレベーターの電気量は半減できるのではないか。健康にもよく、長生きの秘訣ともなり一挙両得だ。
・かつて日本人は一個の渋柿といえども無駄にしなかった。渋柿は甘くして食べてもいいし、薬用にも効くという。贅沢な食べ物ばかりに目を向けず、庭の渋柿を大切にする心を失ってはならない。
・風呂敷という便利な道具はどこへいった。なんでもかんでも紙袋やレジ袋に詰めればいいというものではない。消費がゆき過ぎると、浪費になる。
・わたしが大病にかかる場合、目が回るという前兆がある。大地震にも同じ前兆があるのではないか。
・カネのある人はカネで、頭脳のある人は頭脳で、労力にある人は労力で奉仕し、それを受けた側は感謝の気持ちを持って寄付者の名前を残すよう考えるべき。
・一票欲しさのために、実行不可能な方言をする政治家が多い。かつて江戸時代、治水治山にあたる奉行は生命を賭し、切腹覚悟で責任を果たしたという。
・子孫を甘く育てれば、強い子は育たない。だから、私のモットーは「子孫に美田を残さず」である。荒海の岩石の上に立つ木が風雪にも耐えて育つのは、強風にさらされて強い根を張るからだ。
・孫と遊ぶのが楽しくなったら、人生オシマイだ。棺桶を用意した方がいい。わたしは孫を抱いたこともない。(笹川は孫に会うのは年二回。全員に30分の正座をさせ、それまで菓子も出さない、と決めていた。「君子は孫二十日」といって、賢人が孫を可愛がるのは生まれて20日くらいで、あとは放っておくのをよしとした)
・原因のない結果はない。いま艱難辛苦があるとすれば、それは先祖からの因果応報が関係しているからだ。いまから果報をつくせば、幸福は必ずめぐってくる。
・人の迷惑を考えずに、騒音、爆音をまき散らすな。街頭演説はメガホンで、物売りは地声でやるのがいい。
・人間はシャバという地獄に修行に来ていると思えばいい。シャバで徳を積んだ者は極楽へ行けるし、多数に迷惑をかけた者は地獄へ帰るのである。
・91歳のわたしが若いと言われるのは、粗食を心がけているからだ。高価な肉や魚などは口にしない。よく噛んで、感謝しながら食べる。これが長寿の秘訣である。
・わたしの健康法は、朝起きたら十分に深呼吸することにある。新鮮な空気を吸い、古い酸素を吐き出す習慣が元気の源なのだ。
・「寒い、寒い」を口に出すな。人に会って、挨拶がわりに「暑い、暑い」と切り出すようになったら老化の始まり。
・(ダイエー創業者中内功氏に)「(何百億かの資産ができて)おめでとう。ところでキミはあの世にそのカネを持ってゆく方法は考えたのかね」
聖人君子というのはこういう人のことを言うのだろう。スゴイなあ。超おススメです。(^◇^)