「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ワニの丸かじり 4」(東海林さだお)

 


ワニの丸かじり (文春文庫)


まだまだ連日、暑い日が続いている……今年ほどアイスを食べた年はないだろう。アイスを愛す(笑)。アイスを何本丸かじりしたのだろうか。(・∀・)


さて、東海林さだお氏の「丸かじり」シリーズ。今回はワニの丸かじりだー!(笑)


ほか弁を買うと、なぜ心がウキウキするのか、一本のアイスキャンディーから人生の教訓を学びとる、クイーン・エリザベス号の昼メシを食べる、青春の思い出ニラレバいため、陰の実力者大根を讃える、懐かしき運動会のお弁当…ショージ氏の食べ物への愛は深まるばかり。ついにはワニまで食べてしまいました」そのエッセンスを紹介しよう。


【ワニを食べる】


ワニを食べてしまった。ワニは人間が食べるものではなく、ワニのほうが人間を食べるものだと思っていた。ワニはいろんなものを食べるが、人間を食べるのが一番似合うような気がする。あの大口には、人間がよく似合う。そのワニを食べてしまったのだ。渋谷にあるアフリカ料理店Rに、とっても辛いアフリカ料理というものがあると聞いて「そういうもんでも食ってみっぺか」と、なぜか急に東北弁的思考になって出かけていったのである。


【おいしい水】


「食事のときに水を飲むのは、カエルとアメリカ人と日本人だけ」というようなことを聞いたことがある。カエルと食事をしたことがないので、わからないが、日本人のほうは確かによく水を飲む。


【大根と一夜を】


ニンジンやゴボウは、きちんと自分の色というものを持っている。大根は、赤カブ、アスパラ、トマト、ワケギなどの才気も感じられないし、ニンニク、生姜、ワサビ、唐がらしなどの精悍さもない、図体だけが大きく、どう見ても頭がよさそうには見えない。では大根は、野菜界のただのバカなのだろうか。野菜界のなまけものなのだろうか。身元調査をしてみると以外にまじめであった。しかも大変な働き者であった。その上、大変な実力者であった。謙虚、篤実の人柄であった。大根は、みずからは決して表舞台には立たない。常に陰に回るのである。


大根は「おろしの部」だけでも一つの業界をつくりあげている。煮物の世界では、常に陰に回る。ブリ大根ではブリを立てる。おでんでは、鍋の中のさまざまなネタから出た味を、全部吸いとるというふところの深さをみせる。漬物の業界でも大根は大ボス的存在となっている。それほどの実力者でありながら、大根の周辺にはいつも庶民性がつきまとう。大根がからんだ料理で、高級なものは一つもない。武者小路実篤氏の絵には、カボチャ、キュウリ、ナス、ニンジンなどが選ばれて登用されるが、大根だけは一度も選ばれたことがない。聞くところによると、話はあったらしいが大根のほうで断ったということだ。ぜひ一度大根と酒を酌み交わしながら、秋の一夜を語り合ってみたいものだ。


その他、「ホカ弁舌讃」「午後2時のラーメン屋」「アイスキャンディーに学ぶ」「枝豆の周辺」「卑弥呼の食事は?」「運動会のお弁当」「カキフライはじまる」「赤飯の不思議」

今年中に全シリーズ読破を狙っています。オススメです。(・∀・)


 


ワニの丸かじり (文春文庫)