「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「新しい道徳」(北野武)


新しい道徳 「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか (幻冬舎文庫)


昔は、「運動中は水を飲むな」って言われてたよね。このキケンな暑さの中でそれをやったらそれこそ自殺行為だろう!(笑)そう、常識というのは変わるものだ。そう、道徳だって。


時代を作る人は、いつだって古い道徳を打ち壊してきた。誰かに押しつけられた道徳ではなく、自分なりの道徳で生きた方がよほど格好いい。自分なりの道徳とはつまり、「自分がどう生きるか」という原則だ。今の大人たちの性根が据わっていないのは、道徳を人まかせにしているからだ。それは、自分の人生を人まかせにするのと同じことだと思う」そのエッセンスを紹介しよう。


まず最初にお願いしておきたい。他人のいったこと、他人の書いたこと、あるいは他人の考えたことを、そのまま鵜呑みいする性癖のある読者は、ここですぐさま本をパタンと閉じて棄ててしまっていただきたい。これから先は、読んではいけない。覗いてもいけない。大変な目にあうから、やめておいた方がいい。万が一、この忠告に従わず、その結果いかなる不利益をこうむろうとも、俺は知らない。それだけは、最初にいっておく。


・あ、そうだ、忘れてた。時間のにあせっかちな読者のために、最初は結論を書いておく。「道徳がどうのこうのという人間は、信用しちゃいけない」


・数学は美しい。美しい女性よりも、美しい。


・小学一・二年生の道徳の教材。「自分を見つめて」なんて書いてある。小学一年生が、自分を見つめるわけないだろう。他人だって見つめないのに。子どもを囚人か何かとカン違いしているんじゃないか。罪を犯した人間に、自分を見つめろというなら話はわかる。白い画用紙みたいな、人生がこれから始まるっていう子どもに、自分を見つめろだなんて。自分を見つめなきゃいけないのは、お前の方だといってやりたい。


「いちばんうれしかったことを書きなさい」っていうのもあって、笑ってしまった。小学一年生に、いちばんうれしかったこともないだろう。そういうのは歳をとって、昔を振り返って「ああ、あの頃がいちばんいい時代だったな」と思い出すものだ


なぜ老人を大切にしなきゃいけないか。そのいちばん大事なことが何も語られていない。年寄りは昔からずっと年寄りだったわけじゃない。何十年も働いて、税金を納めてきた人たちがいるから今の日本がある。電車に乗れるのだって、スマホでゲームができるのだって、つまり年寄りたちがこれまで働いてくれたおかげなのだ。そういう基本的なことを話さないのは、そもそも今の大人たちがそれを忘れているってことかもしれない。


二宮金次郎は、薪を背負って歩きながら本を読んだから偉いのか。スマホでメールしながら歩いたら怒られるっていうのに。



「ぼくらはみんな生きている」


ぼくらはみんな生きている 
生きているから食べるんだ
生きているからウンコする

ニワトリだって
和牛だって
みんな生きているんだ
食糧なんだ


ファーブルは昆虫の研究一筋に打ち込んだから偉いってことになっているけれど、そうではなくて、彼は他のすべてを取り出して虫ばかり追いかけていた。机の中もきっと、捕ってきた虫でいっぱいになっていたに決まっている。しかし、今の道徳の教材によれば、それは「不道徳」ってことになる。


「元気なおじいさん」「ウサギとカメ 20☓☓年版」は、特にケッサク!オススメです。(・∀・)