酒場のギター弾き 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ナマズの丸かじり 6」(東海林さだお)

  


ナマズの丸かじり (文春文庫)


以前、その昔、自転車に乗っていた頃、アンコウ鍋の季節に毎年茨城に旅していた。その時のナマズ」料理ツアーは忘れられない!あのタンパクなあっさりとした、それでいて品のある味。(・∀・)


さて、この本。「ホットドッグは軽食界の問題児だ、心身健康お天気快晴の日はトンカツに限る、ナスとキュウリとどっちが偉いか、納豆はネバネバこそ命、焼肉バイキング初体験、コンニャクは頑固者、懐かしや魚肉ソーセージ…縦横無尽に食を語って大好評のシリーズ第5弾。今回はナマズのフルコースにも挑戦してみました」そのエッセンスを紹介しよう。


【駅弁のため息】


駅弁は、大体、いい景色のところへさしかかったときにヒモを解く、という人が多いようだ。「いえ、わたしはですね、トンネルにさしかかったときに駅弁のヒモを解きます」という人があまりいない。駅弁は「食べ始めたから、食べ終わるまでの列車の移動距離が大きいほどおいしい」のだ。移動距離が小さいほどまずい。また「製造現地に近いほどおいしい」というのもある。函館のかにめし弁当は、函館で食べたい。九州の日南線で食べてもうまくもなんともないに違いない。


【ふりかけの真実】


ゴハンとおかずは、切っても切れない関係にある。おかずを、その食べ方で分類すると次のようになる。たとえば刺し身、納豆、塩からなどは、一口のゴハンの上にのせて食べる。すなわち「のっけ」である。海苔の佃煮は、ゴハンになすりつけて食べるから「なすりつけ」生卵は「あびせかけ」。味付け海苔は、巻いて食べるから「巻きこみ」生タラコは、ごはんにまぶすから「まぶし」、ギョウザやシュウマイは、大きすぎてゴハンの上には乗らないので、まずひとかじりして、あとからゴハンが追いかけるから「追っかけ」である。ふりかけはゴハンにふりかけるから「ふりかけ」……なんといういい加減なネーミングだろうか。


【トンカツの祝宴】


「きょうの昼飯は重厚にいきたい」とボリュームたっぷり、胃袋にズシンとくるもの……こういうとき、卒然と浮上してくるのがトンカツ定食である。いったん浮上してくるとしぶとい。強力である。もう、取り換えがきかなくなる。天ぷら、焼き魚、寿司と言われても、トンカツの存在感の前には、もうどうにもならない。「トンカツやめますか。人間やめますか」と言われても「人間やめてもトンカツやめません」と言えるぐらい、トンカツの誘引力は強い。ただ一つだけ、トンカツには強力なライバルがいる以外な伏兵、カツ丼である。


【ナスの偉さ】


ナスとキュウリとどっちが偉いか。「そんなこと、どっちだっていいじゃないか。バカバカしい」という声もあろうが、そういう声を押し切って考えてみたい。この両者は甲乙つけがたい。実力がありすぎて甲乙がつけがたいということではなくて、実力がなさすぎてつけがたい。栄養的にも、ほとんど何も期待できない。ナスは、スポンジ状のものが、ほとんど意味なく詰まっていて、おもしろくもなんともない。いかにも油を欲しがっている。ナスは油と組むといい仕事をするのだ。だから油を欲しがっている。ドラキュラが血を欲しがるように、ナスは油を欲しがる


その他、「問題児ホットドッグ」「ラーメンのサンダル現象」「風流川下り」「納豆・ネバこそ命」「魚肉ソーセージ再見」「模擬店は女子大!」「イカ天ニッポン」「コンニャクの不気味」「おかゆ物語」「いたちそば」「食後のひととき」「雪の夜のモツ煮込み」「合格弁当」「ネギの憂鬱」など。


やっぱり東海林さだおは、最高。天才だね。オススメです。(・∀・)


  


ナマズの丸かじり (文春文庫)