「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「売春島「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ」(高木瑞穂)


売春島 「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ


いや〜!スゴいタイトルの本だ〜!思わず手にとり読んでしまいました〜!!!(*_*) こんな島が実在するなんて!ビックリっ!


売春島こと渡鹿野島(わたかのじま)は、三重県志摩市的矢湾に浮かぶ風光明媚な離島だ。この島にはかつて娼婦を斡旋する置屋が点在し、売春産業で栄えてきた。その歴史は、江戸時代まで遡る。島の歴史から売春産業の成り立ち、隆盛、そして衰退までを執念の取材によって解き明かしていく。伝説の売春島はどのようにして生まれ、どのような歴史を歩んできたのか?人身売買ブローカー、置屋経営者、売春婦、行政関係者などの当事者から伝説の真実が明かされる!そのエッセンスを紹介しよう。


「アンタ、今、200万で売られたから」わけも分からずその場でへたり込んだ。そう、私は売られた、大好きだった彼氏に騙されて。これから毎日、私はここでカラダを売って200万を返済しないといけないらしい。女将さんは言った。「ショート2万、ロング4万、ロングは泊まりで夜11時から朝7時まで。半分はあなたのものだから」200万を返すには、ロング2万を100日。冗談じゃない。助けを呼ぶにも、島には公衆電話も見当たらない。もちろん携帯電話なんて持ってない。


・誰かが警察に捜索願を出さない限り、私はここで売春するしかないのだ。自発的に働きに来ているコは島の外に出られるけど、借金がある私に自由はない。船着き場は、いかにもヤクザ風の男たち二人に見張られていた。しかし許せないのは、女将さんではなくあの野郎だ。優しく近づき私を売った武井。200万も、私が作った借金じゃないのに。船がダメなら泳いで逃げるしかないー。水泳は少しだけ自信がある。泳げる。絶対に泳いでみせる。


これは1995年8月15日、当時17歳だった少女が“売春島”から泳いで逃げた回顧録である。女を口八丁手八丁で島へと誘い、カネと引き換えに売り飛ばす。待っているのは軟禁状態で宴会に繰り出され、オヤジたち相手にカラダを売る日々。借金が終わるまでは島の外には絶対に出られない。


この島は“売春島”と呼ばれ、“タブーな桃源郷”になった。取材者はもちろん、興味本位で訪れる好事家たちが体験談を持ち帰り、それを雑誌やブログで流布することで都市伝説化した。“ヤバい島”だと書き立てられることが多く、島民たちはそれを不服として警戒心を強めた。その警戒心は、さらに訪れる者たちの脳裏に禁断というイメージを植え付けた。


「事実は小説より奇なり」だね。スゴいなあ…。オススメです。(・∀・)!



売春島 「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ