「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「赤い実  はじけた」(名木田慶子・作 三村久美子・絵)

 

みなさんは、初恋に出会った、恋に落ちた瞬間のことを覚えているだろうか。ワタシはハッキリ覚えている。以前、その出来事を『男になった瞬間』としてブログに書いたことがあった。それがコレ。

 

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さてこの本。胸がキュン!となるなあ。すごいなあ。よく表現できたなあ。少女の初恋ってこんなふうに「赤い実がはじけ」るんだなあ。そのエッセンスを紹介しよう。

 

「変なの。確かにパチンて、音がしたと思ったのに。急に胸が苦しくなってきて、とたん、胸の中で、赤い実がはじけたの」

 
あの夏の夜。千代とふとんにもぐりこんで、いろいろな話をした。そのとき千代は、はずかしそうに、一夫くんのことをいいだしたのだ。同じクラスの一夫くんの横顔に夕日が当たった瞬間、千代の胸の中で、赤い実がはじけたというのだ
 
「不思議なのよ。一夫くんとは小学校もいっしょでしょう。毎日のように顔を合わせていたのに、そんなことなかった。それが、突然ー」
 
それから千代は、一秒だって一夫のことを忘れたことはないの、といった。中学一年になった千代は、一年前の夏会ったときにくらべて、話しかけにくいほど大人っぽくなっていた。
 
「操ちゃんも、いつか赤い実がはじけるわよ。そしたらおしえてね。地震みたいに突然来るんだから」
 
そういって千代は、まぶしいような笑顔をうかべた。
 
赤い実がはじけるって、どんな感じかしら。突然来るって、わたしにはいつかなー」想像すると、なんだかどきどきしてくる。
 
千代がいったのは、本当だった。それは、まったく突然ー。急に胸が苦しくってー。パチン。思わず飛び上がるほど大きな音を立てて。胸の中で何かがはじけたのだ、予想もしていなかった。だって、放していた相手が哲夫だったんだものー。
 
いいなあ。このカンジ、久しぶりに思い出したなあ。読みながらワタシの心の「赤い実」がはじけました。超オススメです。(^^)