みなさんは、初恋に出会った、恋に落ちた瞬間のことを覚えているだろうか。ワタシはハッキリ覚えている。以前、その出来事を『男になった瞬間』としてブログに書いたことがあった。それがコレ。
さてこの本。胸がキュン!となるなあ。すごいなあ。よく表現できたなあ。少女の初恋ってこんなふうに「赤い実がはじけ」るんだなあ。そのエッセンスを紹介しよう。
・「変なの。確かにパチンて、音がしたと思ったのに。
あの夏の夜。千代とふとんにもぐりこんで、いろいろな話をした。 そのとき千代は、はずかしそうに、 一夫くんのことをいいだしたのだ。 同じクラスの一夫くんの横顔に夕日が当たった瞬間、 千代の胸の中で、赤い実がはじけたというのだ
「不思議なのよ。一夫くんとは小学校もいっしょでしょう。 毎日のように顔を合わせていたのに、そんなことなかった。 それが、突然ー」
それから千代は、一秒だって一夫のことを忘れたことはないの、 といった。中学一年になった千代は、 一年前の夏会ったときにくらべて、 話しかけにくいほど大人っぽくなっていた。
「操ちゃんも、いつか赤い実がはじけるわよ。 そしたらおしえてね。地震みたいに突然来るんだから」
そういって千代は、まぶしいような笑顔をうかべた。
「赤い実がはじけるって、どんな感じかしら。突然来るって、 わたしにはいつかなー」想像すると、なんだかどきどきしてくる。
千代がいったのは、本当だった。それは、まったく突然ー。 急に胸が苦しくってー。パチン。 思わず飛び上がるほど大きな音を立てて。 胸の中で何かがはじけたのだ、予想もしていなかった。だって、 放していた相手が哲夫だったんだものー。
いいなあ。このカンジ、久しぶりに思い出したなあ。読みながらワタシの心の「赤い実」がはじけました。超オススメです。(^^)