
ワタシが小学生のころの社会の教科書には、世界の人口が36億人と書いてあったことを覚えている。今は、80億だよね。ひえ〜〜!!!!(・。・)
「21世紀末、日本の人口は約半数に――。人口減少社会の「不都合な真実」をえぐり出し、文明史的スケールの問題に挑む〝生き残るため〟の論考集。各ジャンルを代表する第一級の知性が贈る、新しい処方箋がここに」なかでも、建築家の隈研吾さんのメッセージがオモシロカッた。そのエッセンスを紹介しよう。
「武士よさらば あったくてぐちゃぐちゃに。街をイジル」 隈研吾
・江戸時代における武士階級が、21世紀日本においては建築業であった。すなわち、どちらの集団も、かつては必要であったら、時代が変わって、突然不要のものとなった。その不要のものをどう処遇するかが、江戸の、そして現在の最大のテーマとなったのである。
江戸に先立つ戦国の世は、武士という戦闘集団を必要とした。戦の時代の花形であり、戦国時代をリードしたのは武士階級であう。しかし、徳川家によって平定された後、武士はもはや不要であった。武士はかつてのエリートであり、リーダーであった。突如不要になったからといって、放逐するわけにもいかず、刀をとりあげるわけにもいかなかた。それが日本という温情たっぷりなシステムのいいところかもしれないし、やっかいなところでもある。
温情でスタートしたものが、最終的に社会に大きなマイナスを与え、人々を不幸にするということが、日本では繰り返し起こるのである。不要となった武士の処遇のために発明されたのが、江戸というシステムであった。武士は最上位の階級として敬われ、奉られた。しかし、人は敬われるだけでは満足しない。はけ口を失った武士の過剰なエネルギー、暴力性を発散させあるために、参勤交代という大イベント、大浪費が繰り返された。
・存在を失った集団、時代からずれてしまった集団は、集団に固有の閉じた倫理、閉じた美学を先鋭化し、集団をより強固で「美しい」ものへ、磨きたてていく。そこからたとえば「葉隠」のような、極端な哲学、美学が生成される。
・いわゆるディベロッパーも、建築設計会社、建築家、すべてを総称して、僕は現代の武士だと考える。さらに広義にとらえれあば、重厚長大と呼ばれた産業の従事者すべてにまで、武士の定義を拡大することができる。戦後の経済成長には、2つの大きなエンジンがあった。ひとつは建築業であり、もうひとつは自動車産業である。成長、拡大のためには、郊外に大量の住宅を建設する必要があった。この部分を担ったのが、ひとつ目のエンジン、建設産業である。郊外という社会制度は、20世紀アメリカの大発明である。いつもきまって、戦争の後、拡大の時代が来る。第一次世界大戦後の住宅不足への対応として、アメリカは郊外と住宅ローンを発明した。
・残念ながら、成長拡大の時代が永遠に続いたことは、歴史上一度もない。アメリカではベトナム戦争が、20世紀システムの終焉を象徴し、日本では大阪万博が終焉のメルクマールとなった。現代の低成長、少子高齢化社会が、すでに1970年代にきざしたのである。
・アメリカと日本では、違う展開を迎えた。アメリカでは重厚長大産業は、早々と主役から滑り降りて、脇役となった。しかし、日本という場所は、かつての時代を先導した主役を、いつまでも大事にする、なまぬるい場所だったのである。武士を温存する風土がそのままの20世紀にいたっても残存していたのである。日本の建設産業は、1970年代以降も、脇役へと降りることはなかった。政治と結託することによって、70年代以降も、日本の主役の座をはり続けたのである。
武士集団の結束力、集団主義は、協力な集票装置として機能し、70年代以降の日本政治の主役の座を守り続けた。この集票装置を長期的に継続させるためには、建築工事をエンドレスに発注し続けなければならない。それが、70年代以降の日本政治の、隠れた目標となった。
・さらなる偶然も武士の延命に味方した。1995年の阪神大震災、2011年の東日本大震災、という二つの大災害が日本を襲った。大震災からの復旧、復興が国家目標となり、武士は新たな活躍の場を与えられた。さらにそこに2020年、東京オリンピックが重なった。偶然が何重にも武士に味方したのである。
・アメリカでは建設業は、主役の座から降板し、才能はすべてITや映像系に流れてしまった。逆に、日本の建築会の輝き、レベルの高さが、世界から見れば不思議な現象なのである。
・武士をしっかり往生させてやらなければ、日本は救われないというのが、僕の基本的な考え方である。武士は江戸時代にも往生しなかったし、実は明治時代にも往生しなかった。往生しなかった武士の暴力性が、第二次世界大戦へと日本を導いた。建設業も建築設計者も、すべて武士の生き残りである。一国も早く、往生させてやらなければ、何が起こるかわからない。
そのためにとりあえず、僕は倫理と美を否定しようと考えている。日本の建築も都市も、必要以上に美しすぎ、ちゃんとしすぎている。その武士道精神のおかげで、都市は立派だけれども、つまらなくなったし、日本の建築単価は、世界の類がないほどに高額となった。美の変わりに、商を建設業に持ち込むことである。
その他、「序論 文明史的スケールの問題を前にした未来予測(内田樹)」「ホモ・サピエンス史から考える人口動態と種の生存戦略(池田清彦)」「頭脳資本主義の到来――AI時代における少子化よりも深刻な問題(井上智洋)「日本の“人口減少”の実相と、その先の希望――シンプルな統計数字により、「空気」の支配を脱する(藻谷浩介)「人口減少がもたらすモラル大転換の時代(平川克美)「縮小社会は楽しくなんかない(ブレイディみかこ)」「若い女性に好まれない自治体は滅びる――「文化による社会包摂」のすすめ(平田オリザ)「都市と地方をかきまぜ、「関係人口」を創出する(高橋博之)「少子化をめぐる世論の背景にある「経営者目線」(小田嶋 隆)」「斜陽の日本」の賢い安全保障のビジョン(姜尚中)」
その他、「序論 文明史的スケールの問題を前にした未来予測(内田樹)」「ホモ・サピエンス史から考える人口動態と種の生存戦略(池田清彦)」「頭脳資本主義の到来――AI時代における少子化よりも深刻な問題(井上智洋)「日本の“人口減少”の実相と、その先の希望――シンプルな統計数字により、「空気」の支配を脱する(藻谷浩介)「人口減少がもたらすモラル大転換の時代(平川克美)「縮小社会は楽しくなんかない(ブレイディみかこ)」「若い女性に好まれない自治体は滅びる――「文化による社会包摂」のすすめ(平田オリザ)「都市と地方をかきまぜ、「関係人口」を創出する(高橋博之)「少子化をめぐる世論の背景にある「経営者目線」(小田嶋 隆)」「斜陽の日本」の賢い安全保障のビジョン(姜尚中)」
なかでも「都住創運動のヘキサ、中筋修さん」(http://www.hetgallery.com/nakasuji.html)「脱所有ーシェア、改修の豊かな可能性」など。
ワタシが生きている間は、この未来が体験できないけど、来世が楽しみだ。オススメです。(^^)

