「こだわりバカ」（川上徹也） - 「てるてるソング」小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ！』日記

最近、どこでも、どんなところでも街を蔓延する「こだわり」というコトバ。実は「こだわりの○○」という言葉を安易に使う店は、結局何もこだわっていないのだ！！！(・∀・)

同様に、「未来を拓く」(大学)「住み心地良い」(自治体)「イノベーション」(企業)などのいま日本中に溢れる「空気コピー」をめった斬り。飲食店、会社の経営者はもちろん、自治体や大学関係者も必読！たった1行の言葉でできる「差別化戦略」。そのエッセンスを紹介しよう。

・「こだわり」「こだわる」という言葉は、もとはネガティブなニュアンスがある言葉でしたが、現在では「細かいことにまで気をつかって吟味する」という良い意味で使われることが多くなっています。非常に便利な言葉であることから、飲食・食品業界をはじめ、今、日本中のあらゆる所で使われることが多くなっています。

・しかし、造り手や売り手は、お客さんが求めていない「こだわり」にこだわってしまっていることが多い。さらには「こだわり」がただの自己満足になってしまっている「バカ」も少なからずいるのです。あなたの会社やお店も、あなた自身が「こだわりバカ」になってませんか？今の日本は、どこもかしこも「こだわり」という言葉の大安売り状態。いつから日本人はこんなにも「こだわりバカ」になってしまったんでしょうか。心当たりがある方は、ぜひ「こだわりバカ」を脱却していただきたいと思います。

・「こだわりがない」と諦めているバカもいます。きちんと商品やサービスの良さを訴えていない会社やお店や各種団体のことです。言葉が変われば会社は変わります。言葉が変われば、そこに「物語」が生まれます。物（商品）だけをバカ正直に売るのではなく、商品そのものを売らずに「物語」を売り「ストーリーブランディング」を確立する、つまり「発信側の志や哲学を一行にに凝縮し旗印と掲げる」ということです。

・企業の「物語」は山の源流から海にまで流れていく川のようなもの。お客さんは、海。企業とお客さんが直接出会うのは、商品を売る現場である河口です。一番上流の「志」や「哲学」を凝縮した旗印になる一行のことを「川上コピー」と名づけました。日本中に蔓延している無駄な言葉「空気コピー」を「本気コピー」「買気コピー」「やる気コピー」に。合い言葉は「さらば、空気コピー」です。

・A　厳選したそば粉を使用。こだわりの一枚をぜひ！

　B　一年中「新そば」気分を味わいたいあなたへ。季節で一番おいしい「玄そば」を取り寄せ、毎日必要な分だけむき挽いています。

　A　ANAは、お客様の声に徹底してこだわります

　B　ANAは、お客様の声を尊重し、徹底してサービスを改善していきます

・「こだわりの料理」「旬の食材」「伝統の技」という言葉を使って表現しれいるということは「うちには何一つ自慢できることがないんです！」と表現しているようなもの。「こだわり」という言葉を使わずに「こだわり」を表現することが必要です。

・「強い言葉」とは「印象に残る」「心に刺さる」「行動したくなる」ような言葉です。「弱い言葉」とは「手垢がついた」「ありきたりな」「心が動かない」ような言葉です。

・言葉を強くするための3か条

１　常套句を避け、できるだけ具体的に書く
２　言葉の化学反応を考える
３　圧縮して言い切る

「わざわざ買いに行きたくなる店＝パンステージプロローグ」（横浜市青葉区）
http://prologue.opal.ne.jp/index.html

「珈琲の富田屋」（奈良県橿原市）
https://tomitaya.cc/

「あなたの記憶に残る価値のあるカレー、あなたのカレー煮込んでおきました＝もうやんカレー」
http://www.moyan.jp/

「一部の人に理解される　昔人の知恵　1000年のカリー＝サリサリカリー」
http://salisali.web.fc2.com/