「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「間抜けの構造」(ビートたけし)

 


間抜けの構造 (新潮新書)


「間を制するものはセールスを制す」「間を制するものは人生を制す」ということをセミナーでもよく話しているが、「間」って大事だよねー。(・∀・)


見渡せば世の中、間抜けな奴ばかり。どいつもこいつも、間が悪いったらありゃしない。?間″というものは厄介で、その正体は見えにくいし、コントロールするのも難しい。けれど、それを制した奴だけが、それぞれの世界で成功することができるんだよ――。芸人、映画監督として、これまでずっと?間″について考え格闘してきたビートたけしが、貴重な芸談に破天荒な人生論を交えて語る、この世で一番大事な?間″の話し」そのエッセンスを紹介しよう。


間抜けなやつ、というのは、いつの時代にもどこの世界にもいる。生まれも育ちも学歴も地位も性別も関係ない。政治家だろうと学者先生だろうと、間抜けは間抜けでも、間抜けには愛嬌というか、どこか憎めないところもある。特においらのような芸人にとって、「間」というものは死活的に重要で、逃れることができないもの。漫才でもコントでも、テレビのフリートークでも「間」を外したら一発で台無し。バラエティでも「ひだ段芸人」が司会の人の「間」を読めずにコメントしてグズグズ、なんてこともよく見る。共通していることは「間」が悪いことで、その間をコントロールできないからそんな悲劇も起こる。


「間というのは魔という字を書く」歌舞伎でも踊りでもその出来を左右するものは「間」であって芸事を生かすも殺すも「間」次第。それだけ「間」というものは重要なんだけど、同時に怖いものでもあって「間」を外せば「魔」ともなる、そんな含蓄ある言葉。この本では、おいらなりに考えてきた「間」というものについて、いささか愚見を申し上げる。どうやったら「間」をコントロールできるのか、人生においていかに、「間」を活かすのかを考えてみたい。それは結構重要なことだと思っている。


・映画館での話。学生は「学生一枚」というのを聞いた田舎のオヤジが、わけわからず「百姓一枚」といった。


・行楽地で「今日はなんでこんなに混んでいるんだ」お前が来るからだよ、ばかやろう。「どこ行っても混んでるね」なんて、大間抜け。


・たくさんのマスコミが集まる記者会見。「『週刊漫画ゴラク』です」「コアマガジンの『ニャンニャン倶楽部』ですが」「『漫画エロトピア』の北野と申します」とやれば、場内爆笑間違いなしなんだけどな。


・大学のとき。「今日は、両親と妹と弟が旅行でいなから、遊びにおいで」と当時付き合っていた彼女に言われて、家に行った。ちょうと弟の学生服と妹のセーラー服があったから、誰も家にいないのをいいことに、お互いそれを着て、いざ!というときに家に帰ってきちゃった……「はじめまして、北野と申します」弟の制服を着たまま慌ててあいさつしたんだけど「間」の悪いことこの上ない。しかも体の一部には、まだちょっと興奮が残っているから余計に間抜けだね。


・やっと作ったビートきよしさんのネタが二つだけある。「死んだ人が訊ねてきて、あーのよー」ブルース・リーがロケット乗って、ウチュー!」って、ばかやろう。こんなもので受けるはずがない。「こいつのお父さんは偉い人なんですよ。日本で初めて立った人ですから」「俺のオヤジはピテカントロプスか!」


「漫才というのはどうやれば上手くなるのですか?」聞かれることがある。それを聞いてきたやつが芸人だとしたら、その時点でダメだな。客を笑わせればいい。それだけ。そこに至る方法やプロセスはいろいろあるけど「これが正解」というものはない。芸人に数だけ方法論はあって、それぞれが違って当たり前。「芸人になって客を笑わせたことがあるやつは、もう辞めることができない」その代わり客を笑わせることができなかった芸人は、その場で首吊って死のうかと思うぐらい落ち込むけどね。


あらゆる芸事というのは、客前でやらないと身につかない。三人の客でもいいから。その前でやるのとやらないのではまるっきり違うから。つまり、実践をやらないやつは一切ダメ。これは芸でもスポーツでもなんでも共通することだけどね。


振り返ればおいらの人生、「山」あり「谷」ありだったけど、その両方があったからこそ今があるんだよ。もしこれまでずーっと「山」だけの突っ走った人生だったとしたら、今頃は生きていないと思う。とっくにどこかでくたばっていたはずだ。やっぱり適度に「間」があったからよかったんじゃないかな。結果論だけど。その「間」によって思わぬ転機が生まれて、次々と新しいことにチャレンジできたわけだから。人生というのは本当に何が起こるかわからない。


特に、「バカと間抜け」「三代目・春風亭柳好。「間」は大事だねー!今度セミナーにも使おう。オススメです。(・∀・)


 


間抜けの構造 (新潮新書)