「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「岩崎弥太郎と三菱四代」(河合敦)

 


岩崎弥太郎と三菱四代 (幻冬舎新書)


大河ドラマ龍馬伝岩崎弥太郎を演じた香川照之がいまでも脳裏にやきついている。あの野心。あのギラギラ感が。


さて、この本。「三大財閥中、三百年以上の歴史を持つ旧家の三井・住友に対し、三菱は明治の動乱に乗じて短期間で巨万の富を築いた特異な会社である坂本龍馬の遺志を継いで海運業を起こし、権謀術数を駆使してわずか五年で頂点を極めた政商・岩崎弥太郎。日本初のビジネス街・丸の内を建設した二代目・弥之助。戦争景気で業績を伸ばし、昭和の大不況を勝ち残った三代目・久弥四代目・小弥太。時代に即した巧みな経営術と、現在も続く財界随一のグループ結束力で成り上がった一族、岩崎家四代のビジネス立志伝」そのエッセンスを紹介しよう。


・弥太郎に限らず、多くの歴史人物の生涯をひもといていくと、面白い共通点があることがわかる。それは、偉人の多くが少年期を過ぎてからも、弥太郎のように大風呂敷を広げつづけていることである。平然と周囲に大言壮語を吐いているのだ。偉人の大半は、大人になってからも夢や大志を捨てることがないのだ。世の中の現実といったものは考慮しないのである。いや、できぬのかもしれない。


・真剣に自分の才能や置かれた環境を熟慮すれば、どう転んでもそんな大きな夢が実現するはずはない。にもかかわらず、目的に向かって突き進んでしまうのは、ある意味、性格の欠陥だといっても差し支えないだろう。しかしながら、天は不思議である。そういう人物に味方するのである。豊臣秀吉にしろ、新井白石にしろ、本来ならばとても天下を動かすような境遇にはなかったはずだ。しかしながら、現実に彼らは歴史に名を残してしまっている。


・弥太郎と同世代・同郷の人物ならば、坂本龍馬がまさにその典型だろう。龍馬も大言壮語の癖があり、姉への手紙に「日本を洗濯する」「土佐二十四万石を率いて、天下国家のために行動するつもりだ」といった大風呂敷を広げている。さらにいえば、どうやら、人格と栄達とは、まったく無関係なようである。善人や悪人の別なく、天は大志を抱きつづける人物を引き上げる傾向が明瞭に見てとれる。これは断言してもいい。岩崎弥太郎だって、決して聖人君子とは呼べない部類の人間だ


・おそらく信じることなのだろう。願いはかなうと信じてただひたすらに突き進めば、不思議と夢は現実になる。一切の疑念を挟んでいけない。そういった意味では、人生は馬鹿の勝ちである。弥太郎は、まさに大風呂敷の馬鹿者だった。弥太郎の偉さは、大風呂敷を広げるだけではなかった点にある。誰よりも勉強したのだ。昼間は悠々と遊んでいたが、夜が明けると、人知れず、行灯の明かりの下で必死に机に向かっていたのである。そうした努力があってはじめて、弥太郎は人に抜きんでることができたわけだ。


大成する人間の共通点とは、いったい何なのか。思うにそれは、どんな過酷な環境に置かれても、知恵をしぼって発展的な努力ができる性質ではないだろうか。そして、そうしたねばり強い性格は、生まれながらの資質ではなく、後天的なものであり、己の考え方次第で獲得できるものだと、私は信じている。


三菱の強さは、ここにあるんだね。スゴいなあ。オススメです。(・∀・)


 


岩崎弥太郎と三菱四代 (幻冬舎新書)