「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「良心を持たない人たち」(マーサ・スタウト)

 


良心をもたない人たち (草思社文庫)


この本はショッキングな内容だが、その半面、なるほど、そうだったのかあ……と人間関係の問題解決の糸口になる良書である。

一見、魅力的で引きつけられるが、身近につきあってみると、うそをついて人を操る、都合が悪いと空涙を流して同情を引き、相手に「自分が悪い」と思わせる、追いつめられると「逆ギレ」して相手を脅しにかかる……そんな人たちがいる。彼らは自分にしか関心がなく、他者への愛情や責任感によって行動が縛られることがない。つまり「良心」をもたないのだ。出世であれ遊び暮らすことであれ、手段を選ばず自分の欲求をみたそうとするので、周囲の人は手ひどいとばっちりを受ける。だが本人は悪びれず、自分こそが被害者だと言いつのる。本書は、25人に1人いるという「良心のない人」の事例をタイプ別に紹介し、もし彼らにかかわってしまったらどうればいいのか? 事前に見分ける方法はあるのか?そんな疑問にすべて答えてくれる」そのエッセンスを紹介しよう。


人はだれでも、人間には良心というものが当然備わっているものと思い込んでいる。精神医学の専門家の多くは、良心がほとんど、ないしまったくない状態を「反社会的人格障害」と呼んでいる。この矯正不可能な人格異常の存在は、現在アメリカでは人口の約4パーセントと考えられている。つまり25人に一人の割合だ。別名「社会病質(ソシオパシー)」ないし、もっと一般的な「精神病質(サイコパシー)」。じつのところ罪悪感の欠如は、精神医学で最初に認められた人格障害であり、過去には譫妄(せんもう・錯覚・幻覚・異常行動をともなう状態)なき狂気、精神的病質的劣勢、道徳異常、道徳的痴愚などの言葉も使われた。


アメリカの反社会性人格障害の臨床診断では、以下の7つの特徴のうち、少なくとも3つをみたすことが条件とされている。

1 社会的規範に順応できない
2 人をだます、操作する
3 衝動的である、計画性がない
4 カッとしやすい、攻撃的である
5 自分や他人の身の安全をまったく考えない
6 一貫した無責任さ
7 ほかの人を傷つけたり虐待したり、ものを盗んだりしたあとで、良心の呵責をカ感じない。

なかで最もよく目につく特徴の一つが、口の達者と表面的な魅力である。


サイコパスはふつうの人より刺激にたいする欲求が強く、結果として社会的、肉体的、経済的、あるいは法的にリスクを冒すことが多くなる。彼らは人を惑わせて危険な冒険に引きずり込む、共通して病的に嘘をつき、人をだます。あるいは友人に寄生虫のように寄りかかる。そして常にいかなる問題にたいしても責任を感じない点は共通している。感情の浅さもサイコパスの目立った特徴である。ぞっとするほどの冷たさを感じさせる。異常で恐ろしいこの状態が、人口の約4パーセントに現実として存在するのだ。摂食障害に悩む人より多く、統合失調症の4倍であり、結腸がんの100倍なのだ。


およそ25人に一人の割合でサイコパス、つまり良心をもたない人たちがいる。4パーセントの存在によって、人間関係、財産、功績、自尊心、平和な生活そのものが奪われるのだ。自分が道徳や倫理に反した行為や、怠惰、利己的と思える行為を選ぼうとしたとき、それを抑えようとする内的メカニズムが欠けているのだ。


・この地球上には、何千年も前から現在にいたるまで、けたはずれのスケールで非道なことをおこなってきた人々がいた。そして現在の社会では、他人を利用することは当たり前のようになっている。良心をもたないビジネスのやり方が、莫大な富を生む。悪者はいつか滅びるのだろうか。それとも、結局のところ、お人好しでは勝てないのだろうか。破廉恥な少数派が、本当にこの地球を受け継いでいくのだろうか。


・私はこの本が、善良な人々に「隣のサイコパスについて警告を与え。サイコパスに対処するにあたっての助けになればとも願っている。


・現在のところ、サイコパシーは治らない。そして必ずと言っていいほどサイコパスは治ることを望まない。じつのところ西側の文化圏には、サイコパシーの神経生物学的特徴を助長するかのように、暴力、殺人、戦争挑発行為など反社会的行動を奨励する傾向まである。


やっぱり悪縁に近づかないことなんだねえ……。あなたの回りにもいるかも。超オススメです。(・_・;)


サイコパスに対処する13のルール」の中でも「8 サイコパスから身を守る最良の方法は、相手を避けること、いかなる種類の連絡も絶つこと


 


良心をもたない人たち (草思社文庫)