「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「日本人が気づかない心のDNA 母系的社会の道徳心」(森田勇造)


日本人が気づかない心のDNA: 母系的社会の道徳心


先週、母方の法事で新潟へ里帰りしました。30数名が集まり大盛り上がり!やっぱり故郷の田園風景を見ると自分の原点やルーツを感じるよねえ。思わず「イネ」ボタンを押したくなるね。(笑)



さて、この本。「戦後70年を経た今日では、多民族、多文化の欧米中心の価値観や文化観が世界を席巻しています。かたや日本には単一民族に近い中で培われてきた、信頼に裏打ちされた「道徳心が育まれてきました。その道徳心とはどのようにして形成され、社会に対してどのようにはたらくか、薄れゆく心のDNA・道徳心をいかにして伝えてゆくか等々、道徳心を再認識するためのさまざまな事柄をあつく論じています」そのエッセンスを紹介しよう。


社会の成り立ちは、自然・人・社会的遺産(文化)の三要素によりますが、どのような時代にも、自然との共生による生活文化を忘れては、安定・継続が保てないことはよく知られています。


・災害には、人間が起こす戦争や事故などの人災と、自然の異常現象である天災があります、。人災には恨み辛みや怒りがついて回り、責任問題が尾を引き、天災には恨み辛みがなく、許しと諦めがあります


自然は人類にとって衣食住のすべてであり、神であり、仲間なのです。その自然の戒めである災害のおかげで、私たち人間は賢くなり、平和で豊かな社会を発展させる知恵と力を培ってきました。


日本は、統合機関としての天皇が在位する、千数百年もの歴史のある古い全体主義の国で、世界的にあまり例のない道徳心の篤い信頼社会でした。しかし、建国以来移民によって成り立っている、他民族、多文化のアメリカは、個人主義の国で、法律によって人為的に統制されれた不信社会です。戦後の日本は、日本のあらゆることをアメリカ化することに邁進し、日本国独自の社会的あり方をあまり重視してきませんでした。そんなこともあって、日本は半世紀以上もアメリカ化が進行し、社会的には不安定な状態で、これまでの日本が体験してこなかった、基本的な生活文化の革命的変化期に入っています。


今から僅か半世紀までの日本の中心的産業は、稲作農業でした。稲という植物を栽培することによって生計を立てている稲作農耕民は、古くから定住し、自然の時の流れに従って大地とともに生活をしてました。稲は単なる農作物ではなく、生きる喜びや悲しみ、恐れや希望、季節感や古里感などをも与えてくれました。そして、稲作の共通した生産労働などを通じて生活共同体としての村を維持するために、価値観を共有する特質をもち、労働力を分かち合う“結い制度”などによって、先祖代々知り合った信頼心の強い、同族的な信頼心の強い、同族的な信頼社会を形成するに大きな役目を果たしてきたのです。


・動物的な女と男が、文化的な母親と父親になる過程において、大きな違いがあることは古くから知られていました。世の知恵者たちは、男の子に「お前は男だ、お前は強いんだ」の倫理を教え伝えることの必要性を知っていたのです。さもないと、男はなかなか父親になろうとしない本性があるからです。オスの本性を包み隠し、よりよい社会人になってもらうために、母親が中心に行ってきた家庭教育の一部が「しつけ」になり、地域社会における祭りや年中行事、その他冠婚葬祭などの儀式を通じて、父親たちが中心になって行ったのが、後継者作りとしての社会的準備教育でもあったのです。家庭教育における「しつけ」は、女性たちが田圃に稲の苗を正常に植え付ける「仕付」からきた言葉で、稲作文化の一つでもある日本古来の教育用語なのです。


「母なる大地」とは良く言ったものだね。先日、落とした名刺入れが無事返ってきた。やっぱり日本の道徳心は素晴らしいねえ。オススメです。(╹◡╹)




日本人が気づかない心のDNA: 母系的社会の道徳心