「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ライオンはとてつもなく不味い」(山形豪)

 


<ヴィジュアル版> ライオンはとてつもなく不味い (集英社新書)


このタイトルに惹かれて読みました。弱肉強食の頂点に立つライオンは「とてつもなくマズい」のだとか。へー!φ(..)メモメモ


「あらゆる関係が「弱肉強食」で決まるアフリカの原野。弱ったものは瞬く間に被食の対象となる彼の地で、ライオンなどの大型肉食獣は衰えと共に最期を迎えることも多いという…。その理由は「とてつもなく不味い」から。赤茶色の乾いた大地、縦横無尽に駆ける野生動物、そしてそこに身を投じる人間…。そこでは、生きることのすべてがサバイバルだ。大自然を貫く「生」の本質とは?ひとつひとつの瞬間を、幼少期より人生の多くをアフリカで過ごした異色の経歴を持つ写真家が、貴重な写真と文章で綴る」そのエッセンスを紹介しよう。


・ライオンの子供を見ていると、彼らは暇さえあれば、追いかけっこや取っ組み合いをする最終的には前足で相手を地面に引き倒して喉に噛み付くという行為に至り、兄弟同士で倒すもの、倒されるものが頻繁に入れ替わる。これは明らかに狩りの練習なのだ。大きくなるに従って、その遊びにはスピードとパワーが加わり、より実践的になっていく。そしてある程度成長すると大人たちに交じって本当の狩りに参加するようになり、一人前のライオンへと成長していく。


オスライオンにとっては、ケンカ形式の遊びは狩りの練習以外にも重要な意味を持つ。ライオンはプライドと呼ばれる群れを形成して暮らすが、プライドのリーダーはメスであり、そのメスに受け入れられたオスだけが群れに加わって、子供をつくることができる。属していない成獣のオスたちは、単独、または2〜3頭で同盟関係を結んで暮らす。彼らが交尾のチャンスを得るには、まずプライドにいるオスと戦い勝利することが条件なのだ。一方でプライドのオスは、虎視眈々と乗っ取りを目論む挑戦者たちを跳ね除けねばならない。大きなオスライオン同士の戦いは、どちらかが死に至ることもある真剣勝負そのものだ。


肉食獣であれ、草食獣であれ、動物の子供たちは皆よく食べて、寝て、そして遊ぶ。それた彼らの「仕事」なのだ。これは我々人間にも通じる部分だ。幼少期に外で遊ぶことは、運動能力を鍛えるのみならず、社会性を身につけたり、痛みを知ったり、はまたま己の限界を知るといった、生存のために必要な身体的な経験やスキルの数々を体得する貴重な機会なのだ。


ライオンは、いままで食べたどの肉よりもマズかった。味付けをしていないただの干し肉だったこともあるかもしれないが、とにかく生臭かった上に、猛烈に筋っぽかった。まあ、ライオンは筋肉の塊のような生き物だし、野生環境では贅肉を蓄える余裕などないから、硬いのも至極当たり前の話だ。


・私が経験上最も恐ろしいと感じるのは何と言ってもホモ・サピエンス、すなわち人間である。この危険きわまりない動物は、他の種が持たない“悪意”“物欲”というものを持っている。防衛行動や捕食などとはまったく関係ない理由から同類を襲うし、刃物や銃といった道具を携えている場合が多いので、厳重な警戒を要する。


「アフリカで最も恐ろしい野生動物はカバ」「草食系動物は猛獣?」は、以外だったなあ…。(・_・)ライオンの干し肉、食べたくないなあ……。オススメです。


 


<ヴィジュアル版> ライオンはとてつもなく不味い (集英社新書)