私にとってボクシングの不朽の名作漫画といえば、「あしたのジョー」と「がんばれ元気」だ。共に全巻揃えて持っている。(╹◡╹)
しかし小説というのは案外少ないのだ。そしてここに名作小説が誕生した!
「天才vs努力家 性格は正反対。二人の幼なじみの共通点は「ボクシングが好き」。天才的なボクシングセンス、だけどお調子者の鏑矢義平と、勉強は得意、だけど運動は苦手な木樽優紀。真逆な性格の幼なじみ二人が高校ボクシング部に入部した。一年生ながら圧倒的な強さで勝ち続ける鏑矢と努力を続ける木樽。そして幼なじみ同士運命の対戦がついにやってくる」そのエッセンスを紹介しよう。
・「ボックスって戦えという合図です。昔はプロの試合ではファイトと言うてましたが、今はプロでもボックスと言います。英語の「box」という言葉には「ボクシングする」という動詞の意味があるんです。その命令形ですから、正しくは「ボクシングしろ」ということですね」
・ボクシングをやって初めてわかったんですけど、男には闘争本能があるんです。多分、原始の本能に近いものだ思います。大昔、人間がまだ原始人だった時、男ーいや、オスはメスや子供のために獲物と戦い、あるいは敵と戦ってきたのだと思います。動物の雄は雌を奪い取るために戦うじゃないですか。男の闘争本能の中にはそういうものもあるんやないかなあって思います。
・ボクシングって野蛮な殴り合いじゃなくて、すごく科学的なスポーツなんです。科学という意味のサイエンスという言葉には、ボクシングの技術という意味があるそうです。
・パンチを受けて倒れる時はね、脳震盪を起こします。本当に一瞬、気が遠くなるんですよ。それは小さな死に似ています。
・人は苦労して一所懸命に努力して手に入れたものは、決して簡単には手放さない。でも、あの子はボクシングの強さを簡単に手に入れすぎたのよ。たいした苦労も、努力もせんと、ね。だからあっさりと捨てられたのよ。才能というのは双刃の剣やね。
・あの時初めて鏑矢の試合を見た。あの時の鏑矢はまさに一陣の風のようだった。速くて、強くてー。こんな言い方が許されるなら、セクシーだった。
ラストのエピローグの最後の一行は泣かせる…青春小説であり恋愛小説だ。先生に恋しちゃうなあ。超オススメです。(╹◡╹)