いや〜スゴい。この本は!下巻も一気に読みました…というよりじっくりと一週間かけて読みました。文句なしに今年のベスト3は確定だね。(╹◡╹)
「日本経済新聞社のコンピュータ導入という“英断”に対して、朝日人はどうしたか。一方、部数日本一を目指す読売は“ドン”となる政治記者が頭角をあらわし、毎日は手のほどこしようのない借金地獄におちいっていた…。“社会の木鐸”の生々しい内側を鮮烈に描いたノンフィクションの金字塔。第17回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作」そのエッセンスを紹介しよう。
・渡辺恒雄が読売に入社した昭和25年当時、読売は社会面だけが売り物の東京ブロック紙にしか過ぎなかった。日経も株や商品相場に関わりのある商工業者や産業界の限られた人々を読者に持つ業界紙的新聞と受け取られていた。つまり読売も日経もともに、二流、三流の新聞とみなされていた。対して朝日、毎日は、新聞界だけでなく日本のあらゆる分野に絶大な影響力を持ち続けていた。
・記者はどのように原稿を書き、デスクにはどう手を入れるのか。整理部ではどのように料理をして、紙面にどう盛り付けていくのか。工場はどんなルールで動いているのか。それこど文字や見出しの定義から紙面レイアウトの方法、はてはを使った印刷の手順まで、新聞がつくられるあらゆるパーツを説明しなければならない。しかも説明する相手は日本人ではなかった。
・コンピュータが導入されれば活版職場は事実上新聞社から姿を消し、工員たちが十年、二十年の歳月をかけて腕を磨いていた文選や植字の技術もすべて使いものにならなくなる。
・技術で今日を築いたソニーの井深大社長をして「えらいことになるから手を出さない方がいい」と言わせたCTSプロジェクトに、あえて自らの会社をかりたて成功に導いたのが、ともに技術とは無縁の、経済記者あがりの経営者だったことは、技術革新のはざまに立たされた企業のトップに求められるものをきわめて示唆に富む形で示している。
・変化は、つねに人々の目に見えないところではじまっている。そしてその変化に人々のが気付いた時、すでに次の変化が音もなく足もとに忍び寄っている。そっと、誰にも気づかれないうちに……。
「三大新聞の興亡と正力松太郎、渡辺恒雄、そして日経の企業文化」「オイルショックと西山事件」「活字が消えた日」など。
すべてのビジネスマン必読。時代の変化にいかに対応するかが学べる。超オススメです。(╹◡╹)
もちろん、上巻から読んでね。(╹◡╹)