数年前に「トイレの神様」という歌がヒットしたけど、この本は「びりっかすの神様」です。(・∀・)
「転校してきた4年生の始(はじめ)が座った席は、教室の一番後ろ。そこは成績の一番悪いものの席だった。ところが、その席にすわったとたんに、不思議な小さなよれよれの上着をきた男の人の姿が見えはじめる。それが天使の羽が背中についた「びりっかすさん」だった。びりっかすをとったものだけが、びりっかすさんが見えて、びりっかすさんと心の会話をすることができる、するとこぞってみんなびりっかすを取ろうとする」すると……そのエッセンスを紹介しよう。
・「はじめは、まじめな、みじめです」わらいがはじけた。先生もわらった。わらっただけではない。ひとつつけくわえた。「そりゃ、いじめだ」
・お母さんは、ぼくにがんばってほしくないっていってるんだ。ひとに勝とうなんて思うなっていってるのさ。ひとに勝つためにがんばるのはおかしい、といったのだ。
・「いいか。830個のりんごを、十人でわけるんだ。な、わかるだろ」
ーおい、始。どうして算数ってやつは、この、りんごをわけたがるのかね。たまにはうめぼしとか、らっきょもわけてみりゃいいのに。ギョーザやシューマイでもないね。
・「あなたの足のはやいのは知っていたけど、一番になったとき、感動しちゃった。一番になるためにがんばるな、なんてお母さんいったけど、ほんとにうれしかったわ」
始は、すこし考えてからいった。
「ぼくもうれしかったよ、でもね、お母さん。ぼく、一番になるためにがんばったんじゃないと思うな」「それ、どういうこと?」
「本気で走ったってことさ。みんな、本気で走ったんだよ、お母さん。ほかの組の子も」
なかなか深いなあ…。これでイジメがなくなるかもしれないねえ。オススメです。(・∀・)