大人気キャラクター「アンパンマン」や国民的唱歌「てのひらを太陽に」の父、やなせたかしさんとの出会いは、昭和50年代の「詩とメルヘン」だ。初恋の同級生から借りて読んだなあ…。懐かしいなあ…。実家には当時の雑誌があるかも!?(・∀・)
さて、この本。やなせさんの経験から生まれた珠玉の名言集。そのエッセンスを紹介しよう。
・「なんのために生まれて なにをして生きるのか」というのは、ぼくの作詞した「アンパンマンのマーチ」の一節だが、実はこの言葉は自分自身への問いかけであった。5歳のときに父と死別、生まれたときは未熟児、体力も、才能も、容姿にも劣等感があった。兵隊に行き、中国へ。敗戦の焦土の祖国へ。希望は何ひとつなかった。それでも生きてきた。
・漫画家としてやっとフリーになったら、まわりは天才、鬼才、異才がひしめいていて、とてもかなわない。おまけにぼくは多病で、病気ばかりで前途は真っ暗。なんとなくピンチを脱してなんとか生き延びることができた。売り出したい、流行児になりたい、異性にもてたいと思ったが、まるでダメだった。「なんのために自分は生きているのか」と考えるのだが、よくわからない。C級の漫画家として、わけのわからない人生が終わるのだと思うと情けなかった。ところが、大変に遅まきながら、60歳を過ぎたあたりから、あまり欲がなくなった。
・人生の最大のよろこびは何か?それはつまるとろ,人をよろこばせることだと思った。「人生はよろこばせごっこ」だと気づいたとき、とても気が楽になった。不幸にならなければ幸福はわからない。悲しみがなければよろこびはない。不幸にならなければ幸福はわからない。ぼくらはこのさびしげな人生の中で悲喜こもごもに生きるのだ。そして一番うれしいのはひとをよろこばせることだ。この本もどこかで皆さんの心の琴線に触れることができれば、それがぼくのしあわせである。
・若いころににモテなくて、あまり遊んでいなかったから、あれほど仕事を大切にすることができたのかもしれない。
・甘くたっていいさ。甘いのが好きな人もいるし、からいのが好きな人もいるし。
・人生は椅子取りゲーム。満員電車に乗り込み、あきらめて途中下車せずに立ち続けていたら、あるとき目の前の席が空いた。
・挫折というのは途中で駄目になることだが、ぼくは40歳を超えてもまだ五里霧中で、挫折どころか、出発していなかった。
・運にめぐりあいたいなら、なんでも引き受けてみるといい。自分の専門分野以外のことに広く眼を開き、経験したほうがいいのです。
・チャンスは誰にでも平等にある。「どうせ、オレなんてダメだ」と言っている人は、チャンスをつかもうとしていないのではありませんか。
・ごくありふれた日常のなかに、さりげなくひっそりと幸福はかくれています。
・一寸先は闇でも、その一寸先には光がある。
・バイキンは食品の敵ではあるけれど、アンパンをつくるパンだって菌がないとつくれない。助けられている面もあるのです。つまり、敵だけど味方、味方だけれど敵。善と悪はいつだって、戦いながら、共生しているということです。
・子どもはいつも先生。もうなくなってしまった。純粋な心を大人に教えてくれる。
・ぼくのように、あまり才能に恵まれていない者は、ゆっくりと走ればいい。
・人生は三カクなんだ。「詩をかく、絵をかく、恥をかく」恥をかいてでもやる。とにかくやれば、何かしら得るものがある。
・今までやってきたことが、全部、役になっているんだよ。無駄なことはひとつもない。
・「うどんこ」の生き方を大切にしてきた。本当は「運・鈍・根」なのですが、ぼくの場合は、運と根気は半分ぐらいなので、うどんこ。
・成功は、求めてそうなったのではなく、めぐり合ったものなのです。
右に名言。左にその解説があるんだけど、本当に波乱万丈の人生。40歳になってもスタートしていなく、60歳でようやく認められるようになるなんて!今、悩んで迷っている人には特に勇気づけられるよね。オススメです。(・∀・)