「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「裏本時代」(本橋信宏)

  


裏本時代 (幻冬舎アウトロー文庫)


……懐かしいコトバだ……裏本。昔、大変お世話になったなあ……なんちって(笑)


「1982年、駆け出しのライターだった僕を雇った男は、闇の出版ビジネスを支配する首領だった―。裏本」を生み「裏本」と心中した80年代のカリスマ「村西とおる」と女たち。そして伝説の写真誌「スクランブル」。時代の徒花「裏本」の興亡とアンダーグラウンドカルチャーを、あつくスキャンダラスに 描くノンフィクション」そのエッセンスを紹介しよう。


・この本は1980年代が顔をのぞかせたたころ、フリーの文筆業を営んでいた僕が体験したふたつの出来事を記録したものだ。ひとつは「裏本」という非合法出版物をめぐる世界の動きである。男女の性交をそのまま写して一冊の本に仕上げたいわゆる裏本がどのように作られ販売されていったのか、アンダーグラウンドビジネスが資本主義社会の中でどのような生態をしているのか。当時、この世界では「会長」と呼ばれる人物が制作・流通・販売の7割近くを握る握る集団を握る集団を率いて空前の利益を上げていた。彼=村西とおるは、後に著名なアダルトビデオ監督として表社会に出ることになる。この本ではまだ裏社会に君臨していた当時の彼が行ったアンダーグラウンドビジネスの数々を綴っていく。今では伝説ともなった彼の破天荒な行動ぶりは秩序だった表の社会ではまず見られないものだろう。


・ふたつ目の出来事はその会長と知り合った僕が裏本集団の表の顔とも言える会社から資金を調達してスクランブル」という写真雑誌を創刊し、廃刊に至るまでの経緯である。「フォーカス」一誌だけだったこの世界に突如出現したスクランブル」という写真雑誌はわずか半年あまりの命だったおともあってその存在はさほど知られてはいない。この雑誌をめぐり表と裏の社会で起きたいくつかのハプニングを活字にしておくことも無駄ではないだろう。


・歌舞伎町に集中するビニ本店に電話連絡で注文をとると一冊2000円の卸値で買い取ってくれる。印刷した6000冊の信濃川が全部さばけ、売上は1200万になった。かかった経費と言えば、製版代8万円、印刷製本代100万円、撮影料30万円、モデル料30万円、書影費(ほとんどが台湾での豪遊費)50万円、純利益は約1000万になった。わずか二ヶ月程度でこの儲けだ。


こんだけ危ないことやってんだからよお、儲からないほうがおかしいべ、毎月現金で2億ほど入るんじゃねえの。先月はうちの社員50人が台湾に二週間旅行に行ってよ、ひとりにお小遣い100万ずつ渡されて酒と女とやりたい放題だよ。ゴルフもみんな好きだからよ、コース貸し切りでひとりずつコーチをつけて回ったんだ。


……すごいなあ。こういう裏のヒストリーが残っているってスゴイなあ……。オススメです。(・o・)


  


裏本時代 (幻冬舎アウトロー文庫)