一日一冊一感動!小野塚テルの『感動の仕入れ!』日記

タイトルは、『一日一冊一感動!小野塚テルの感動の仕入れ!』日記。 毎日の読書、映画、グルメ、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。(ときどき「酒場のギター弾き」「B級グルメ」も紹介します)

「プロ野球の経済学」(橘木俊詔)

  


プロ野球の経済学―労働経済学の視点で捉えた選手、球団経営、リーグ運営


年が開けて楽しみなのは、やっぱりプロ野球ペナントレースだよね〜!野球が大好きだなあ〜!(・∀・)


さて、この本は、野球本の中でも異色!日本のプロ野球を「(労働)経済学」の観点で捉え、年俸問題、キャリア問題、選手の権利問題、球団経営等について調査・分析メジャーリーグとの比較分析も行っている。新たな視点のプロ野球解説書とするとともに、日本のプロ野球ケーススタディとした経営、ビジネスの指南書にもなる書なのだ。そのエッセンスを紹介しよう。


・筆者はプロ野球の契約金を退職金の前払いと理解すれば、支払いの根拠があると判断している。まだプロ野球としてまったく活躍しておらず、しかもまだ未知数の可能性のある選手に2億円、5億円を払うのは説得力に欠けるからである。能力・実績主義というのは現実に成果を示してから支払うのが筋である。期待料のぴょううな契約金は経済合理性に欠けるのである。退職金のように理解できるなら、野球を離れてからも別の仕事に就くときに役立つ資金になると考えられる。


親企業の名前を歴史的に遡ると、日本の産業発展の歴史を見るように興味深いことがわかる。すなわち、日本経済史の生き字引と考えても誇張はない。戦前と戦後のしばらくの間にプロ野球保有した企業の産業は、新聞、映画、鉄道が主。新聞社は読売、毎日、産経、中日など。映画会社は松竹、大映東映など。鉄道会社は、国鉄阪神、阪急、近鉄、南海、西鉄、西武、東急など。興味あることは、日本の得意だった重厚長大産業という製造業がほとんどなかったし、金融・保険・商社といった産業もなかったことである。むしろ製造業は実業団野球=社会人野球の花型として多く存在した特徴がある。ここで活躍する選手がプロ野球の世界に入ることが多かったのも特色である。金融業になかった理由は「護送船団方式」という大蔵省主導の規制産業だったため。


クライマックスシリーズは存立の根拠がない制度と筆者は判断している。レギュラーシーズンとクライマックスシリーズの商社が異なる場合、どちらのチームが真のリーグ覇者なのかを非常に曖昧にする。なんのための長いレギュラーシーズンを闘ってきたのかということになる。説明がつかない。ポストシーズンゲームをどうしても実行したいのなら、前期、後期制のほうがまだ納得性があると考える。クライマックスシリーズは再検討の余地があると判断している。


アメリカ大リーグのビジネスを一言で評価すれば、リーグ全体が繁栄することを目的として行動するし、リーグに属するどの球団も大赤字に陥って倒産ないし身売りをしないようにしている特色がある。1 戦力の均衡を計るために、選手のドラフト順位を前期の成績の逆順位で指名権を与えている。2 コミッショナーから各チームが一定額の分配金を受領する制度がある。3 選手の年俸総額が非常に高いチームには「サラリーキャップ年俸制限)」制が設けられていて、その学を超えたチームは超えた分の20〜30%をリーグに収めねればならない規定がある。(課徴金、贅沢税)


その他、「野球がプロスポーツの代表になった経緯」「2リーグ制の確立とプロ野球の隆盛」「V9/巨人の意味」「V9の功罪」「ドラフト会議、職業選択の自由はあるか」「プロ野球選手の給料の実態」「なぜホームラン王や最多勝利選手は高額を稼ぐのか」「リーグビジネス優先の大リーグ」「プロ野球人気を高めるにはどうしたらよいか」など。


前半の野球の黎明期の話が特にオモシロイ。職業野球と揶揄された時代から今の隆盛にいたるまで80年だよねえ。先人の偉大さを感じるねえ。野球ファン必読!オススメです。(・∀・)


  


プロ野球の経済学―労働経済学の視点で捉えた選手、球団経営、リーグ運営