「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「笑う店には客来たる 楽しむ人には福が舞う」(宇野隆史)

 


笑う店には客来たる 楽しむ人には福が舞う


先日ご縁をいただいた「居酒屋の神様」宇野隆史氏。いっぺんでファンになってしまった!またスタッフの方、卒業生の方もみな、一様に魅力的だ。人間力、コミュニケーション能力に長けている。つまりオモシロイのだ。 お店に行くと楽しい!美味しい!また足を運びたくなってしまう。そのヒミツはどこにあるのか!?宇野社長のノウハウの第二弾がこの本。そのエッセンスを紹介しよう。


・自分で店を持つためには、絶対に避けて通れないことがある。計画的に金を貯めることだ。飲食店で働いているなら、食事をまかないで済ませて一ヶ月に10万円貯める。それで5年働けば600万円。それだけあれば借入金と合わせ。小さな店を開くのに十分な資金になる。オレが常日頃、口を酸っぱくしてうちの子たちに説いていることだ。


貯金は、開店資金となるだけじゃない。独立に向けてどんな店にしようかと自分の店を具体的にイメージする際の「よりどころ」となるんだ。旅行に行きたいというときだって、まず予算がなければ計画が立てられないでしょ。独立してからも、貯金がすごく重要だ。お金があればやれることの幅が広がるし、二店目のイメージも具体的に湧いてくる。


・貯金は難しいことじゃない。例えば、終電で帰宅したお客さんを呼び込んで、夜中の12時以降に1万円売り上げるまで営業するって決めるんだ。客単価2000円としてお客さん5人に来てもらえばいい。その売上を貯金すれば一年で300万円くらい貯まる。独立前の三倍お金が貯まると思ったら、すごく励みになるよね。


店名っていうのは、遊び心が感じられるものがいい玉川上水の近くの店なのて「玉川」と書いて「タマリバー(玉川)」と読むようにしたり、「よだれ」なんていい名前だよね。


・うちの店は大勢のOBがいるから、そうした子の店にもよく足を運ぶ。すると、「やりやがったな」ってオレが嫉妬するような店を作っている子もいる。そんな時はオレも俄然、気合が入る。もっといい店を作ってやるぞってね。だってさ。うちで働いている子たちが、その店で働くより幸せだって思えなきゃかわいそうじゃない。


卵を焼くのが下手でも全然問題ない。初めて焼いて形が崩れちゃったら、お客さんと会話するネタにすればいい。「次来た時には完璧な玉子焼き出しますよ!」なんてね。それで一ヶ月後にきれいな玉子焼きを出してごらんよ。お客さんは「うまくなったね〜」なんて言って、きっと店に愛着を持ってくれる。「僕はまだ焼くのが下手だから250円、うまいスタッフは450円、どっちが良いですか?」なんてやったっていい。玉子焼き一つでお客さんを喜ばせることができるんだ。


・店の子たちにオレはよく「恩と縁」の話をするの。うちの対する恩は、店にいるとき一生懸命働いて、はやらせてくれることで返してくれればいい。店を出たら残るのは縁だけ。だら、うちがやっていることはマネできないとか、同じ仕入先は使えないとか思わなくていい。そうやってマネされた店が嫉妬するほどいい店だったら、オレは最高にうれしい。


・オレはずっと、店作りをするときは、屋台とかガード下とか、昔ながらの温かみのある店を参考にしてきた。汚いカレンダーがかかっていても、人と人の触れ合いがある大衆居酒屋はつぶれない。ビールケースの上に板を渡したテーブルが客席の屋台でも、喜んでお客さんが入る。


・うちの店では、その日のお薦めメニューは、各店の子たちが毎日必ず手書きしている。お薦めメニューは、お客さんに売りたい料理や飲み物をアピールする格好の「武器」になるんだ。だから、お客さんに訴えかけるために、活字のメニューより手書きにした方が絶対にいい。その日の日付を入れるでしょ。「今日は暑かったですねー」なんて書いたらメニュー一枚でお客さんとコミュニケーションが取れる。メニューは店を繁盛させるたえのすごく大きな武器になるんだよね。


・逆に、オレが絶対メニューに入れたくない要素もある。写真だ。だって写真を入れるより、食材でも料理でも実物を見せる方が、間違いなくお客さんの心をつかめる。


・何十年もやっているような小さな店で、味のあるおやじやおばちゃんがいて、おでんや焼き鳥を出しながら温かい接客をする。それが本来の居酒屋だとオレは思う。お客さんに「その店だから行く」と選ばれる居酒屋の姿だ


この間、うちの店に行ったらポテトサラダがおいしくてさ。それなのにあまり売れていないって言うから、「モヒートと合わせたら最高ですよ!」なんて薦めてごらんと言ったら、よく売れるようになってね。モヒートのリキュールまで毎日一瓶空くようになった。


・街で見かける休業を知らせる飲食店の貼り紙だ。よく店頭に「病気につき、二日休みます」なんて貼り紙があるでしょ。本当のことを書く必要はない。どうせ休むんだったら「ちょっと温泉に行って来ます」と書いたら「なんだか楽しそうだな」って思ってもらえる。居酒屋にだって、そんな「魔法」が必要なんだ。


料理は下手でもいいから、お客さんに楽しんでもらえるかを考えることがオレたちの仕事だ。調理には絶対ライブ感が必要で、かけ声一つ、動き一つでお客さんをわくわくさせなきゃいけない。オレが自分一人でやっていた頃は、ナポリタ〜ン」なんて作っている料理の名前なんかを歌うように口ずさみならフライパンを振って踊って、お客さんを楽しませていたよね。厨房には、色々な持ち場がある。だからどうしたら自分がその持ち場で一番かっこよくなれるかを考えてみるといい。


・コンビニだって、すごいおでんを売っている時代でしょ。お薦めの言葉もなくレジの前に置いてあるだけのおでんが売れるのに、居酒屋で売れないなんありえないよ。「コハダどうですか?」→「今日のコハダ最高なんだけど、どう?」、「デザートいかがですか?」→「うちの店のデザート、知らないの?あんなおいしいもの知らないなんて残念ですね〜」そう言うだけで全然違う。


仕込みって、営業中に「遊ぶ」ための仕事だと思っている。しっかり仕込みをやって店が開いてからは、後は仕込んでおいた材料を道具にして「遊ぶ」だけなんですよね。お客さんが帰るときに、おいしかったと言われるより、楽しかったと言われる方がうれしい


スゴイなあ!いいなあ!また行きたくなっちゃうなあ!コミュニケーションに悩んでいる人、必読です。超オススメです。(・∀・)



笑う店には客来たる 楽しむ人には福が舞う


こちらと併せて読むとますます効果的です!(・∀・)



トマトが切れれば、メシ屋はできる 栓が抜ければ飲み屋ができる