ミスタージャイアンツ、そしてミスタープロ野球の長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督。氏の古い友人であり、ニッポン放送アナウンサーの深澤弘氏が語る、等身大のミスター。どのページもオモシロイんだけど、特に現役当時の落合博満氏の激白が印象的だ。そのエッセンスを紹介しよう。
【落合博満】
「ボクと長嶋さんでは野球観は違いますよ。あの人のいちばんむずかしいところは、勝って、なおお客さんを喜ばせるということを全ゲームにおいてやりたいと思っていること。135試合すべて勝ちたいという野球だからね。そんなことありっこないのに、しかしそれを求める人なんだよね。だからどうしても無理しなきゃいけなくなる。85勝すればいいんですよ、ペナントレースは。85勝すれば貯金が35もできる、あの人はそういう計算ができない人だから、それできつい野球になるんですよ。われわれがやれば、80勝をどうやってしようか、あとの5勝をどう取ろうか、と思案する。でもあの人は、135試合勝つこと以外考えないんだから。そのうえ、お客さんが「満足、満足」と言って喜んで帰るようなゲーム内容しか考えていない。だからあの人の考えを理解するとなると、それは大変ですよ。
理解しているヤツが一人でも二人でもいたら、簡単に優勝しますよ、この球団は。それと、選手は不平、不満を言ってはいけないの。不平不満を口にするなら、このチームから出なければいけない。そこまでの覚悟があるんだったら言えばいい。オレはいま現役ではないから、いろいろ言っているけど、現役のころは一切口にしたことはないはず。どんな監督に仕えてもね。
オレはもう長嶋さんのハラハラさせる野球を見るのはイヤだ。早くユニフォームを脱いでくれないかな。それであとはコミッショナーをやればいい。そうなれば日本の野球も万々歳。あの人がコミッショナーになったら野球はもっと人気が出る。いいコミッショナーになると思うね」
さすがはミスター!そうだよね、コミッショナーになって欲しいなあ。オススメです。(・∀・)