「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「天皇」(矢作直樹)



天皇


東京大学医学部教授であり、ベストセラー『人は死なない』の著者・矢作直樹医師が、いま最も伝えたいことは、天皇陛下について。意外や意外と思いきや、日本人を理解するうえで、大きな役割を担っていらっしゃるのが天皇陛下なのだ!そのエッセンスを紹介しましょう。


天皇陛下は、日本人が祖国愛と人間愛のもとに調和していくうえでの道標ともなります。天皇陛下がなされているもうひとつの大きな役割は、「力こそ正義」の世界にありながらも、世界の平和と繁栄を願い、精神的に指導されていらっしゃることです。誠実な人柄と誠心誠意準備されたお心のこもった対応により、面会を得た各国の元首は皆、日本を代表される天皇陛下に心酔されると伺っております。その精神的影響の大きさは計り知れないものでしょう。


・日本人にとって天皇陛下は、2600年にわたってこの国を、そして日本人を形作るのに欠かせない「扉の要」のような存在でした。そんな「要」としての存在を戦後の日本人は忘れつつあるように思います。天皇陛下の「不在」によって日本人、ひいては日本という国が融解し、ギスギスしバラバラになってきたように思います。



・本書では、私自身の経験や、天皇陛下とこの国の近代史の背景を見直すことで、日本人がバラバラになってしまった原因を考察し、天皇陛下に思いをはせることの大切さを再認識してほしいと思っています。一人でも多くの国民が気づきを得ることで、日本はきっと世界に誇れる国になりえると信じています。


天皇陛下にご挨拶させていただくときに感動させられるのは、天皇陛下が大勢並んでいる医師団に対して単に順番にご挨拶されるのではなく、それこそ一人ひとりがまるでご自分の家族の一員であるかのように真剣に心を込めてご挨拶されているということです。私は、病み上がりでお辛いでしょうから、自分がそこにいて陛下の時間と労力をいただいていることに誠に申し訳ない思いでおりました。そういったとき私は、天皇陛下が「国民」を「大御宝(おおみたから)」とお読みになられるということの意味を肌で実感させられるのです。


天皇」の役割を端的に申せば、日本の最上位に位置する「祈る人」です天皇陛下はこの国の平和と安定を祈る、もっとも重要な役割を、さらに「特別な力」をもって担ってくださっているのです。


皇居の暖房は、20度とずいぶん控えめに設定されているそうです。冬のある日、当院での検査の折に医師団が気にして室温を高めに設定していたところ、陛下から「何度ですか」とご下問がありました。担当医が「24度です」とお答えしたところ、陛下が「うちでは20度にしています」と仰いました。私たちは、はっとして慌てて室温設定を下げました。天皇陛下は、少しでも省エネを、とお心遣いされていらっしゃるのでした。


・東大病院を退院されるとき、特別室から一般の方とは別のルートで正面玄関から来られ、お車で帰られるのですが、そのときの正面玄関の雰囲気というのは、もう、スーパースターがいらっしゃるとしか表現しようがありません。なにより、告知など行うはずもないのに、陛下が玄関にお越しになった瞬間に、どこから来たかと思う喉の見舞客というか患者さんたちがワーッと集まってくるのです。本当に、おふたりが病院長に先導されてお歩きになるとき、その場の空気が激変するのです。家族に挨拶をするように笑顔を振りまいていかれます。それを見れば、「あっ、私は陛下の民なんだ」といった、まさに「訓臣一如」という理屈を超えた一体感を得ることができます。全国民が体験することは物理的に不可能ですが、機会があれば一人でも多くの方にぜひ体験していただきたい。誰もが理屈抜きで感動されるでしょう。


特に、「平成の玉音放送」の全文は感動! 私もテレビで両陛下を観ると涙が出ることがある。心からお慕い申し上げています。日本人必読!オススメです。



天皇