「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「潜入ルポ 東京タクシー運転手」(矢貫隆)



潜入ルポ 東京タクシー運転手 (文春新書)


仕事でエネルギーを使って帰宅する時、駅から12.3分の距離を歩くのがツライことがある……しかも荷物を持っていると更にツラくなる…そんな時にお世話になっているのが、タクシーなのだ。(・∀・)

さて、この本はユニーク。「ノンフィクション作家自らハンドルを握り、デフレ不況下の東京を走り抜けて分かった「事故」「売上げ」「道路案内」そして「お客」の悲喜こもごも!理不尽な客の要求、激減する水揚げ、増える事故。潜入ルポから見えてきたのは、「身近な足」のはずのタクシー業界が抱える闇だった!」そのエッセンスを紹介しよう。


・世の中におかしな人はたくさんいるのだろうけれど、そして、おかしな出来事もたくさんあるのだろうけど、当たり前の日常生活を送っている限り、多くの場合、そうした人や事態に遭遇する機会はなかなかないものだ。けれど、タクシーは違う。月に一度や二度は、この類の嘘みたいな話が運転手の身に降り掛かってくる。


高速道路をタクシーで走るのって、実は、ものすごく神経を使う作業なのだ。何しろ、履いているのは、値段がチープなら性能も恐ろしくチープなタクシータイヤだ。グリップ力を筆頭に、直進性やら排水性といった性能を犠牲にしてのコスト再優先。そんなタイヤで首都高のきついコーナーや東名道をぶっ飛ばすなんて、とてもじゃないが、怖くてできやしない。


タクシー仕様車は(一般の乗用車と同じ仕様の個人タクシーを除けば)一般の乗用車と形は似ていても性能があらゆる意味で劣っている。それは要するに、運転に意識を集中ささえなければならない度合いが一般の乗用車よりもはるかに大きいという意味で、逆を言えば、高性能な自動車が運転するのが楽に感じるのは、無意識のうちに行っている運転中の適切な意識の配分が簡単にできるているから、となる。


タクシー運転手を体験してみてわかったのは、運転手には、常に「焦りの気持ち」があるということだった。客を探すのに四苦八苦で実車率も下がりっぱなし。「必死になれば何とか次の客を乗せられるかもしれない」と運転手に小さな期待を抱かせてしまうという意味があるのだ。「もっと水揚げを……」となり、それが「なんとかしなければ」という焦りの気持ちになり、それは、そのまま交通事故数字になって表れる


その他、「東京でタクシー運転手になってみた」「受難の時代」「仁義なき争奪戦」などなど。

へえ〜……大変だあ……。運転手さんって……。タクシー業界の現実がわかる。オススメです。(・∀・)




潜入ルポ 東京タクシー運転手 (文春新書)