「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「サカナとヤクザ 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う」(鈴木智彦)

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築地市場から密漁団まで、決死の潜入ルポ!アワビもウナギもカニも、日本人の口にしている大多数が実は密漁品であり、その密漁ビジネスは、暴力団の巨大な資金源となっている。その実態を突き止めるため、築地市場への潜入労働をはじめ、北海道から九州、台湾、香港まで、著者は突撃取材を敢行する。豊洲市場がスタートするいま、日本の食品業界最大のタブーに迫る衝撃のルポ」そのエッセンスを紹介しよう。

 

「あれだけ簡単に儲かる仕事は他にない。海で金を拾っているようなもの」アワビは漁業者にも、そして密漁団からも「磯の王者」と呼ばれるらしい。定着性海産物の中では大型で、突出した高値で取引されるからだろう。

 

「今回もそうだけど、密漁団はそもそも人のいない場所に入ってくる。そういったエリアが震災で消えてしまった。震災で一帯の街が全部破壊されてしまって、みんな仮設住宅にう引越してしまった、探照灯津波で破壊されてしまった」そのため好き放題にアワビが密漁され、密漁団にとっては濡れ手にアワビの状態になっているという、そのほとんどが暴力団関係者に利益をかっさわれる。

 

密漁はなにも暴力団だけが悪人というわけではない。その手先となる漁師がいて、そうと分かって仕入れる水産業者との共生関係が構築されている。それらがリンクし合い、魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)し、毎日、闇夜の中で密漁は繰り返される。

 

日本で取引されている45%、およそ906トンが密漁アワビの計算になる。我々がアワビを食べる時、2回に一度は暴力団に金を落としているということである。市場に流通する半分が密漁アワビ、言い方を変えれば盗品というのは異常な状態という他ない。

 

・意外に思えるかもしれないが、市場とヤクザは双子のような存在だった。築地の魚河岸も例外ではない。他の地域に比較して、その関係性はよりいっそう濃厚だ。なにより魚河岸は本質的にヤクザ的である。仲卸の仕事は、実質、ブローカー業だからである。

 

漁業にルールを持ち込んだ途端、密漁は必然的に発生する。目の前に魚がいれば全部獲るのが漁師の本能だ。非漁業者にとっても、誰かのものを盗んでいる自覚はない。「山で山菜を採っても犯罪にはならない。なのになぜ海産物を獲ったら犯罪になるのか」それが密漁者たちの偽らざる本音なのだ。消費者も完全なる共犯である。

 

…うーん……深いなあ…そういう構造だったのかあ……。この事実は知っておかないとね。オススメです。( ゚д゚)!

 

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