「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「原辰徳と落合博満の監督力」(張本勲)


原辰徳と落合博満の監督力


今年から巨人は、高橋由伸監督になったり、球界の監督もすべて40歳代になり様変わりしたけど、ちょっと前までは巨人の原監督と中日の落合監督の戦いが楽しみだったよね。(・・)

日本野球史上唯一の3000本安打を記録しているハリさんこと張本勲氏がこの二人の名監督を比較したのがこの本。これが実にオモシロい。そのエッセンスを紹介しよう。


原辰徳監督は、これまでの球界の監督のなかでも、傑出した裁量があると私は見ている。だが、まだまだ三原監督、水原監督、南海の鶴岡監督、川上監督の域には、達していないと見ている。だが、原監督の器量からいけば、今後の努力いかんでは、この4大監督に勝るとも劣らない器量であることは間違いない。彼の最大のライバルは、中日の落合博満監督だろう。本書では、徹底的に二人の監督力の差について検証した。原と落合にいはみんなの知らない顔がある。リーダーとしての信念と、能力、知と情と非常。二人の決い的な差をおもいっきり書いてみた。


中日の強さは、落合監督イズムの浸透によること大である。私なりに、本人にも取材し、さまざまな角度から中日の強さのヒミツに迫ったつもりだ。なんといっても落合中日がカッコいいのは、スーパースターに頼らないところである。


・リーダーとして、一番備えていなければいけない「勝利へのあくなき執念」を原監督は持っている。さらに勝つために、どういう戦い方をしたらいいのか、勝つために、どのような守備陣系にしたらいいのか、勝つためのベストメンバーとは…といったことを熟知している。天分もあるだろうが、巨人の名監督といわれる藤田元司監督長嶋茂雄監督らの薫陶も、決して否定出来ない。だが4大監督には及ばないものがある。それは「非情さ」である。


落合監督は、監督就任のシーズンオフに「レギュラーも二軍もスタート時点はいっしょ。私が、来季2004年の指揮をとる春季キャンプまでに、自分自身で練習し、自分の長所を伸ばしてほしい。一軍も二軍もない。やったものが生き残る。サバイバルゲームだ。来季のキャンプまでに自分の力を10%アップしてこい。オレが見て、ひとつでも、長所を伸ばした選手がいれば、どんどん起用していく。だから、全員に試合に出るチャンスがある。これだけは公言しておく」この2004年セリーグ優勝を監督1年目にして達成した。


・私は落合監督に、「巨人は金にモノをいわせて、ペタジーニ、清原、江藤、小久保、谷、ラミレス、ローズ、広沢、李承ヨプ、工藤など次々と大型選手を移籍させている。対抗する補強をする必要があるのではないのか?」と質問をしたら、落合監督は涼しい顔でこう答えた。「ハリさん、野球は投手を除けば8つのポジションしかないんです。ですから巨人がいくら各球団の4番打者やエース級の選手を獲得しても、すべての選手は使えません。そういうやり方よりも、一軍、二軍をあわせて70人の現有戦力を10%アップさせれば、巨人恐るべしとは思いません。見ていて下さい。今年の中日を」


「オチよ、おまえがメジャーに行っていたら、イチローくらいの活躍はできたかな?」


「ハリさん、イチローは安打だけ打っていればいい選手だけど、オレの場合は、長打もかなり打っている。答は明らかでしょ?」


その他、「一流半の選手だった原だからできる操縦術」「すべて、フェアに選手を起用する落合監督の「侠気」」「一つでも秀でたものがあれば起用する落合監督の起用法」など。


もし、ハリさんや落合さんや王さん、長嶋さんがメジャーにいっていたらオモシロカッただろうねえ。野球ファン、そしてリーダー必読。オススメです。(・∀・)



原辰徳と落合博満の監督力