いや〜!これは良い本だ。野球が終わってシーズンオフになった野球ファンには、読んでほしい本だなあ。(・∀・)
「2011年、圧倒的な実績を残しながらプロ野球界を去った落合博満。噂された球団との確執や過度の拝金主義といったイメージとは裏腹に今もなお、シーズンオフには落合待望論がまことしやかに語られる。孤高の天才打者にして名監督、その魅力の淵源は何処にあるのか?2019年シーズン中には、球界を代表するスラッガー山川穂高が落合に教えを乞うた。山川の姿によって再び火がついた作家は、さらに、さらにという思いで落合の諸相を訪ね歩く。対談、俳句、エッセイ……至高の野球人を味わい尽くす一冊」そのエッセンスを紹介しよう。
・「長嶋茂雄さんは長嶋監督ではなく、〈長嶋茂雄〉なんです。 僕ら選手には、どう考えても勝てない試合というのがあります。 そういう試合のときに、選手は自分の体を休めたりする。 135試合を戦い抜くには、 そういう休みの試合もないと疲れてしまって、 シーズンを通して持たないのです。ところが長嶋さんは、 今日のお客さんは一年に一回しか観に来られないお客さんと考える 。だから、巨人の選手は一試合も気が抜けないのです。 長嶋さんは『勝てない試合』というのを理解できない人。 理解できないから〈長嶋茂雄〉です。監督というのは、本当は、 選手の体を休めるのも大切な仕事なんです」
・「落合さんが監督になったとして、 コーチを選ぶときに人柄で選びますか」落合は即座に「 私なら野球を知っている人を選びますね」と答え「まあ、 あまり人柄が悪いのは問題ですが」と付け加えた。
・落合は、 自分から野球をとったらただの人であることを強調していた。
・「野球は、来たボールを打てばいいし、 打ったボールは捕ればいい。捕ったボールは投げればいい。 それだけのことです。野球というボール遊びには、 努力すればもっともっと楽しくなる力がある」と言っていた。 落合は、 野球をもっともっと楽しくすることが楽しくてしようがない人なの だ。
・落合は食べ物で言えばホヤだ。 初めて食べるときには勇気がいる。だが、 一度口にするとその歯ごたえ、奥深い苦み、 滋味深い美味さのとりこになる。
・しょせん遊びだよ。ボール遊び。遊びに『コレ』 ってものはないんだよ。自分がうまくなるために、 いろんな創意工夫をしながら、自分のなかで『 何が一番合うんだろう、このボール遊びは』って考えれば、 楽しいだろう?
・子どもに教えない方がいいよね。教えると、 変な癖がついちゃうから。バットを持って、そのまま振ればいい。 大人がダメにするんだ。
・落合中日の一年目に巨人から移籍して、 選手としてもコーチとしても落合と一緒だった川相昌弘氏。「 もう一度、落合と野球をやりたいですか?」「もういいですね。 あの厳しい練習をもう一度やると思ったら、ぞうっとします」と、 言っているよに見えた。
・川相昌弘「 練習時間が長いというのは野球の原点だと思うんです。 落合さんがよく仰ってたのは、 やっぱり野球選手にとって一番大事なのは、 野球の道具を操ることだと。バット、グローブ、ボール。 これを操ることができて初めて野球ができるので、 野球選手はとにかく野球の動きのなかで鍛えないといけない。 バッティングなら、バットを振るしかないだろうと。 内野手だったら、とにかくゴロを追っかけて、 足を運んでボールを捕る。ピッチャーだったら、ボールを投げる。 何でも野球の動きで鍛えなければいけないということは、 口をすっぱくして言われました」
・落合博満を一言でいえば「野球の目利き」である。 落合監督の一年目は、 野球の目利きを生かして上から目線ではなく、 横からも斜めからも下からも選手たちを見回すことに割かれた。 それこそ、家庭の主婦なら誰もがやっているように、 冷蔵庫のなかに今ある肉や野菜を確かめてから、 この素材でできる一番いい料理を考えた。素材を確かめて、 見極めて、落合が闘えるチームをつくり上げ、一年目でセ・ リーグ覇者になったのだ。
・落合監督がほかの監督と違うのは、 チームの穴を補う速さである。穴を埋めるために、 落合監督は速く手を打つ。だから、選手層の厚さは、 チームにとって一番大切なことだと考えているのだ。そして、 穴埋めの選手であっても、レギュラー選手と同じ扱いをする。 穴埋めも、選手層の厚さを増すためには大切な選手なのだ。 その代表的な選手が英智(ひでのり)であったり岩﨑達郎であった。 控え選手であって立派な一軍なのだ。選手層を厚くすれば、 どんな小さな綻びにも手を打てる。 油断をしているとあっという間にその綻びは大きくなっていく。
いや〜さすがだなあ……無理だろうけど、ジャイアンツの監督になってほしいなあ。この本は「落合待望論」だね。野球ファン必読。超オススメです。(・∀・)