「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜飲食店に学べ!…『「お通し」はなぜ必ず出るのか』(子安大輔

「お通し」はなぜ必ず出るのか―ビジネスは飲食店に学べ (新潮新書)

「お通し」はなぜ必ず出るのか―ビジネスは飲食店に学べ (新潮新書)

タイトルに惹かれて、思わず手に取ったのがこの本!(^<^) そうだよね…お通しってほとんどの店が出すよね…なぜなんだろう?帯に書いてあるキャッチコピーにも注目!「なるほど! 「行列店」と「潰れる店」の“決定的な差”が判明しました!

飲食店には製造、小売、サービス、流通等、あらゆる要素が詰まっている。飲食店は本当に儲かるか? 立ち飲みが流行り、ジンギスカンが廃れた理由は? 成功の分かれ道、上場すれば成功なのか? 様々なケースを分析することで、成功するビジネスモデルが見えてきた。あらゆるビジネスに通じる「繁盛のセオリー」が明快にわかる一冊。そのツボとコツを紹介しよう。


・私たちは、飲食店に一体いくらのお金を使っているのか?社団法人日本フードサービス協会の2007年のデータから計算すると
「一人一日、530円」という金額になります。この金額は外食する人もしない人もすべての人を含んだ平均値です。四人家族で年間80万円、市場規模は24兆円を超えています。その規模と歴史の長さまで含めて考えれば、飲食業とは「商売の原点」であり「商売の象徴」とも言えるのではないでしょうか。


・飲食店の四タイプ

グランメゾン型〜客単価が高く、経営規模も大きい飲食店。高級ホテルのフレンチや鉄板焼など。客単価が高いので誰もが気軽に利用できるわけではないので、軌道に乗るまで時間がかかるのが一般的。しかし、経営母体が大きいことで、長期的な視点で商売を行うことができる。

孤高の名店型〜客単価が高いが、経営規模が小さい飲食店。その道何十年という大将が名物の寿司屋や天ぷら屋やオーナーシェフのレストラン。当初は初期投資には限界があるので、「隠れ家」として営業している店が多い。

B級グルメ〜客単価が低く、経営規模も小さい。町の喫茶店、居酒屋、定食屋、洋食屋、バー、ラーメン屋、蕎麦屋など。このタイプが日本中で最も多いでしょう。

インフラ型〜水道や電気のごとく生活にとっての基盤であり、存在することが当たり前になっている飲食店。マクドナルド、吉野家、和民、ドトールなど。


・飲食店の売上げに占める原材料費の比率(原価率)はおよそ30パーセントといわれています。つまり、千円のメニューであれば、300円が原材料の仕入れに使われたということです。そして人件費、家賃、水道光熱費、通信費、雑費を入れると飲食店の利益率は10〜20%です。


・居酒屋に行くと必ず出てくる「お通し」は、「突き出し」と呼ばれることもありますが、小皿や小鉢にちょっとした料理や素材が載っているもののことです。一般的には料理が出るまでの「つなぎ」と言われていますが、本当の狙いは「席料を取る」ことにありそうです。客が頼んでいないものをただ出すだけで、一人当たり200円から500円程度の売上を店側は自動的に計上することができるのです。客単価が3000円の居酒屋の居酒屋であれば300円のお通しは実に売上の10%を占めることになりますし、店にとっては大切な利益源となっているのです。普段何気なく接している小さなお通しには、飲食店の先達の知恵が込められていると言えるでしょう。


・「オーガニック野菜だけを使ったカフェ」「現役ドクターが料理を監修したレストラン」「漢方の視点を取り入れた薬膳料理」「ベジタリアン向けのマクロビオティックレストラン」など、多様な切り口の健康系レストランが大繁盛しているという話を聞くことは、実は滅多にありません。その理由としては、「客層やシーンを限定しすぎていること」が挙げられます。
私たちはなぜ飲食店に行くのかというと、「おいしい料理を、納得感ある価格で、心地良い雰囲気の中で食べられる」という基本価値がしっかりしている上で「健康価値」があるからです。この基本価値よりも「健康価値」が出てきてしまっていると肝心の料理がいま一つ魅力に乏しかったり、値段が割高だったり、店員の接客レベルが低かったりすると飲食店としては失格です。


・逆に自然食を名物としたビュッフェレストランが女性を中心に店舗数も増えています。これらは「健康を前面に打ち出したことが支持されている」だけではなく、肉や魚を使った料理もきちんと存在するので何か節制したり我慢している気分にはなりません。そして店内は明るく清潔で、ゆったりと気持ちよく食事をすることが可能です。つまり飲食店としての基本価値が、まず高く評価され、その上で健康という時代のキーワードがプラスされているのです。


その他、「女性の人気のヘルシー店は潰れる」、「少しのビックリと少しのガッカリ」、「粉モノは本当に儲かるのか?」、「偽グルメ情報にご用心」、「オーナーの夢だった店は潰れる」、「店舗拡大の落とし穴」、「蕎麦屋の不思議」、「個店の時代が到来する」…なども興味深く読みました。将来飲食店もやってみたいなあ!( ..)φメモメモ