「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「死ぬの大好き」(山本夏彦)

タイトルにドキッとして読みました!スゴイなあ…達観してるなあ…。「死ぬの大好き」と言い切れることがスゴイなあ!そのエッセンスを紹介しよう。


十七八の娘は自分が三十になることが想像できない。三十になるくらいなら死んでやると言うのをむかし聞いたことがある。男だってそうだよ、オリンピックの選手をごらん。十八九が絶頂だよ。そのレコードは何千年来のレコードを全部自分のものにして破った記録なんだよ、二、三年それを維持してあとは衰えるばかりなんだよ。


ことわればいいのだ、私は断っているから永遠に少年である。白髪は知恵のしるしではない。私は十五歳にして心すでに朽ちていたのである。この世は生きるに値しないところだと私は子供心に天啓に打たれたから以後、人間の見物人になったのである。見ればみるほど人間というものはいやなものだなあ。


「死ぬの大好き」とまっさきに言った。現在只今この場に於いて死ねるものなら死にたい。このごろプールに言って足腰を鍛えているが、これも死ぬためだ。迷惑をかけられない時代だからな。みんな人のため、毎朝ヒゲを剃って服を改めて出勤するのも人のため、自分のためなら十日でもひと月でもヒゲなんか剃らない。


死を恐れぬなんてウソだとみな信じないだろう。断っておくが死に瀕して意識が混濁して「助けてくれ」なんて言ったとしても、それは私の責任ではない。幸いまだ意識は明瞭である。私は飯を食うのも死ぬまでのヒマつぶしだと思っている。こんなものを書くのも死ぬまでのーいや失礼、以下略。


「よーし!僕は死ぬまで行き続けるぞ―!」(byのび太という言葉を思い出しました。オススメです。(^^)