「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「キミはヒマラヤ下着の凄すぎる実力を知っているか」(北尾トロ)

いや〜この本はスゴイなあ…。視野が広がるなあ…これだから読書はやめられない!(・∀・)!

北尾トロさんのナンデモチャレンジルポだ!タイトルがスゴイよねえ。


「人目も憚らず、氷点下9度の雪山で服を脱ぎ捨て下着一枚になる、カナヅチを克服するため、沖のブイまで一人で泳ぐ、不動産担当者の思惑を読みながら自宅を売却する……。50歳を超えても、やらねばならないことがある!、人の役に立ちたい一心から始まった、行動するタイプの人生相談「解決! トロ」を収録した、怒涛の爆笑ルポ」なのだ。特に、私が以前から気になっていた新宿の「私の志集」のナゾが解けた!そのエッセンスを紹介しよう。



【「私の志集」に触発され、ひとり路上で本を売る】


東京在住の人なら、一度くらいは「私の志集」と書かれたボードを首からぶら下げて、駅の構内などにに立ち、何かを売っている人を目にしたことがあるかもしれない。「志集」というからには詩を売っているのだろうと想像できるが、買ったことのある人は少ないはずだ。


ぼくが買った「志集」は、なんと73歳の夫と37歳の妻による作品だった。そして第一号のタイトルは、『題名未定ー妻の死ー』となっている。妻とは、夫の前妻。さっきの彼女は、何らかの事情で妻を亡くした夫の再婚相手で、日疋(ひびき)冬子さんという人らしく、ぼくの記憶では10年以上前から姿を見かけている。


夜9時3分から12時ジャストまでかかって、1万人を越す通行人の中から7人が買っていった。一冊300円だから2100円の売上。案外売れたという気がする。少なくとも生活の足しにはなる額だが、ぼくには生活のためだけに彼女が「志集」を売っているとは思わなかった。まだわからない何かがある。彼女が路上に立たなければならない理由がきっとある。


「夫は初めて街頭に立ったとき、死のうと思っていたようです。いまここで死んでもかまわないと。死ぬために立つのだと。今日まで生きてはいますが、気持ちはいまも変わらないと思います」理由はよく分からないのだが、なんらかの事情で街頭に立てなくなった夫に代わり、冬子さんは春夏秋冬、週に5〜6日、夜9時からの2時間ほど新宿へやってくる。


がんばっても、あんまり売れないんじゃないですか?通行人に無視されて虚しくはなりませんか?自分自身の作品ならいざしらず夫の作品ですよ。しかも、その題材の多くは夫の前妻についてですよ……。でも冬子さんは微笑みながら返事をよこす。
「これが私の仕事なんです。信念を持ってやっていますから」


その他、「『地の塩の箱』を作った昭和のドン・キホーテを追う〜詩人江口榛一氏」は、すごかったなあ…こんな人がいたんだなあ…。


北尾トロさんはスゴイ!オススメです。