嵐山光三郎といえば、「笑っていいとも!増刊号」で知ってたんだけど、作家としても著作、オモシロイんだよねー!(^ν^)
さて、この本。「明治・大正・昭和の文壇を彩る53人の逞しく、強かでパワフルな人妻たちの正体を描く、画期的な評伝集」そのエッセンスを紹介しよう。
・人妻という言葉ほど男心をコトコトと煮込み、ムラムラといらだたせ、ビリビリとしびれさせるものはありません。背骨に電線が一本埋め込まれたほうなシビレ感があるのです。
人妻→官能→嫉妬→不倫→離婚→再婚→流浪→淫乱→堕落→覚醒→心中→自立→遊蕩→熟成→昼寝、と、妄想ははてしなく広がりますが、さしあたって気になるのは、
隣家の人妻
です。うっかり隣家の人妻と関係ができて牢獄に入れられた詩人は北原白秋です。遊郭の娼妓で、文豪の妻となった先駆者、夫に殉死した女優妻、先輩から譲渡された美人妻、夫に自殺されたけなげな人妻、もて遊ばれる人妻、男をまどわせる魔性の人妻、夫ひとすじの純人妻、乱れる華族出身の悪妻、男を渡り歩く豊満の人妻、淋しき美貌妻、精神錯乱の教師妻、船旅不倫の悪妻、ふしだらなインテリ妻、浪費妻の行くすえ、ああ、たまんないなあ。
悪妻がいる夫は、この本を読めば、気が楽になります。悪妻本人が読めば、「このままでいいのだ」と自信がつきますし、独身女性が読めば「わたしも人妻になって一丁悪妻魂をみせてみようかしら」と気合いが入ります。そういうことで、この本を読んだみなさまのゴフントーをお祈りいたします。
その他、「漱石を失恋させた女 大塚楠緒子」「じつは超能力妻だった 漱石の妻 夏目鏡子」「「つばめ」は人妻のオモチャである 平塚らいてう」「悪妻女王伝説の怪 岡本かの子」「四回の人妻を経験した女 宇野千代」「男を渡り歩く人妻 真杉静枝」「クラクラの人妻 坂口安吾の妻 坂口三千代」など。
いや〜スゴイねえ。明治、大正、昭和の妻って豪快だねえ。オススメです。(^ν^)