全作品読破を狙っている亀山早苗さんの本。この本も実に刺激的だ。まだ、科学で解明されていないもの、それが男女の恋、そしてオトナの恋なのだ!!!(・o・)そのエッセンスを紹介しよう。
・私は恋愛については絶対に誰かと断罪したくないと思っている。それぞれの立場の人の話を聞き、自分の中で消化して書く。それしかできない。「不倫」している女性たちのナマの声が聞きたい、話してくれる人がいるのなら、どこへでも行こうという気持ちがふつふつとわいてきた。ある組み合わせにおいて、男女はなぜ惹かれあうのか、男女の絆とは何か。きっと、一生、誰にもわからないことなのかもしれない。それでもあえてこのテーマに挑戦していきたい。そう感じて、北海道から九州まで、私は「不倫」という恋に身をおいて置いている女性たちを訪ね歩いた。
・「不倫の恋」は、つらさとやりきれなさを感じさせると同時に、確かにある種の甘美な背徳の匂いがした。
・私はさらに疑問に思う。恋人より夫婦のほうが関係として上なのか、と。上というのはどういう意味なのか。めったに会話も交わさないけれど夫婦という形をとっているカップルのほうが、互いを尊びながら前向きに進もうとしている不倫カップルより偉いのか。
・私は決して不倫を奨励はしていない。かといって断罪もしていない。人が自分の心に問うて、葛藤しながらも恋愛をすることを、良し悪しで判断はできないという立場をとる。ただ、「結婚がいちばん上で、独身者同士の恋愛があって、不倫はいちばん下」という位置づけがなされることに疑問がある。人の心を軸として考えるとどうも納得はいかない。人の心は法律でも裁けない。
・「好き」という気持ちの正体は何なのだろう。答えは出ない。ただ、症状はよくわかる。その人のことを思うと、体中が痛くなる。胸がきゅんとするなどというものではない。肋骨がぎしぎしいうくらい痛いのだ。息が苦しくなり、鼓動は早くなり、意識しないと息もできなくなる。
・セックスというのは肉体を通して、大事なものに触れあい、交換する行為なのではないだろうか。心の奥深くで、お互いの何かが混じりあう。どんなに好きでも肉体の一部しか触れあうことはできないけれど、それによって自分のいちばん深いところが揺さぶられたりなごんだりするのが、セックスという行為なのだと思う。
・この本を書いてみて「男女とは何か」「男女の絆とは何か」という根本的な私の疑問はどうなったかというと……実はますます混沌として、ますますわからなくなった。「男女とは何か、は本当にわからない」ということだけがわかった皮肉な結末だ。だがわからないから、おそらく私はこれからも「男女のあり方」について、きっと何かを書いていくだろうと思う。
・「どんなに苦しい恋だとしても、人を愛することに誇りをもちたい」
・「女には、人に言えない恋の一つもなきゃダメよ」(80代女性)
最後のコトバは、響くねえ…。いずれにしてもいろいろな恋があるけど、恋するって素晴らしいよねえ。オススメです。(・∀・)