「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「オトナの恋」は罪ですか?(亀山早苗)

事実は小説よりも奇なり、っていうけど。この本の中味もそうなんだねえ…。スゴイなあ…これ実話なんだろうなあ…。熟年の恋と性を綴るのライターの亀山早苗さんが描く4人に女性の恋の物語。


「由香里――仕事に恋と華やかな生活を送っていたが、33歳でできちゃった婚。昔の恋人に再会。理彩 ――27歳で結婚するも、夫の浮気が原因で離婚。綾子――26歳で親戚の紹介により結婚。ふたりの子に恵まれ、仕事も順調だが、夫とはほぼセックスレスだ。恭子――結婚も子どもも諦め、キャリアを重ねながら不倫の恋を貫く。危険な恋にまどうアラフォー女性の本音を描く」そのエッセンスを紹介しよう。



・悶々と日常を過ごしていた。このまま三十代を終わらせたくない、私は昨日より今日の方が確実に年をとっている。一日でも若いうちに女であることを再確認したい。いや、そんなきれいごとを言っている場合ではなかった。ただひたすらセックスしたかった。それでも、独身時代のように男漁りをすることはできない。自制心と飢餓感が、心の中で渦巻いていた。


結婚五年目にして、私は女に戻った。自分の中に、柔らかな流れのようなものをはっきりと認識した。結婚してからずっと、私はまるで、すかすかぱさぱさの干した寒天のような塊を抱えて生きていた。だが、女に戻ると、身体の中から柔らかくなれる


・私の楽しみは娘だけだった。娘はこの先、どんどん成長して、親より友だちが大事になるときが来る。そうしたら、私は何を楽しみに生きていけばいいのだろう


・でもね、私、怖いの。どこまでエスカレートしていっても、きっと私は受け入れてしまう。快楽って、地獄みたいなところがあるのよ。苦痛と快楽って紙一重なの。そのうち、私、気が狂ってしまったりしないのかしら。


・恋愛ひとつまともにしたことのない私は、どうやって男性と接点をもてばいいのかさえわからない。一応、結婚しているのだから、私は誰かと何かをすれば「不倫」になる。恋とか愛とか関係なく、身体だけの関係というのもあるのだろうか。そもそも、世間の男性から私は「女」として見てもらえる存在なのかどうか、自信もなかった。


・あなたは恋とセックスは分けられないと思っているかもしれないけど、分けることはできるの。好きになったからセックスするとは限らない。セックスしたら気持ちよかった、だから好きになるということもある。恋愛してからセックスしなくちゃいけないわけじゃないの。もちろん、大好きな人といいセックスができればいちばんいいと思うけど、セックスだけの関係だってあり得る。あなたは結婚しているのだし、家庭を壊したくなかったら、割り切ったほうがいいの。セックスだけの関係でも、その場で穏やかな愛情を感じられることもあるのよ。


あの……私、もう何年もしてないんです。でもしたいんです。このまま女として死ぬに死ねない。


「やっぱり笑うとかわいいですね」胸のあたりがぱあっと温かくなる。男の褒め言葉を素直に浴びた瞬間、女は色づくのかもしれない。自分の中に「ときめき」という言葉が、生まれて初めてわいてきた。


・「綾子さん」リョウの叫び声が耳に入ってきたとき、私の中でも何かが爆発した。ぐったりした男は重くなり、私はその重さに愛しさを感じている。乾いた涙の跡の上を、また涙があふれていく。うれしかった。ただ、うれしかった。私は自分が女であることに感謝した。何ものかに向かって。ああ、そうだ、私自身が再生した時間だったのかもしれない。


・イクとかオーガズムとか、私にはわからないのだが、これがそうなのかもしれないと思う瞬間が何度も何度も訪れた。口や耳や鼻や毛穴に至るまで、穴という穴から何かが飛び出していくような、何かが入っていくような、地獄だか天国だか区別がつかない苦痛より快感があった。


「すればするほど気持ちよくなるものなのよ」理彩がそんなことを言っていたような気がする。女の快感は始末が悪い、と何かで読んだ記憶もある。確かに、すればするほどこの快感が深くなるのなら、私はこれを手放すことはできない。むしろ、一ヶ月も待つことなどできないのではないか。


幸せのカタチっていろいろあるんだね。みんな恋をしているんだね。オススメです。(・o・)