落語界の風雲児、立川談志師匠が亡くなって早や4年。あの談志一門協会脱退、立川流旗揚げは何だったのか!?
その弟子、”屈折十三年”立川談四楼の入門から前座修業、甘く苦い若気の恋、売れない焦燥、真打昇進、師弟の情、ライバルとのすれ違いなど、芸人の心情を可笑しくも切なく描いた連作実話小説。
談志師匠のことは立川談春の「赤めだか」にも書かれているが、ハチャメチャな師弟関係と落語界の深い世界のことがよくわかる。そのなかでの印象的な言葉を紹介しよう。
・「これは俺個人の好みだが。ま、芸人、最終的には売れにゃあ話にならんのだが、いいかよくきけよ。汚く売れるよりも、きれいで売れない芸人の方が俺は好きだ。無論、芸がちゃんとしてて食えているという条件つきだがな」
・「おまえは落語家なんだ、しかも談志の弟子なんだ、もっと毅然としてろ。いいか、談志の弟子というだけで大したもんだ」
・「可能な限りデカい声で陽気に喋れ。間なんぞは気にするな。うまく喋ろうと思うな。それだけだ」
・「活字はあてにするな。音で覚えろ」
本格的に談志師匠の高座は聞いたことがないけど、今後しっかり聞いてみよう。オススメです。(・∀・)!