「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「段取りの“段”はどこの“段”? 住まいの語源楽」

この本はスゴイ!オモシロイ!一気に読んでしまった!!!(・∀・)

本書は51の住まいに関わる言葉について、その意味や語源、使われ方の変遷を追い、時に薀蓄を傾け、専門的知識も網羅したもの。まさに目からウロコ。そのエッセンスを紹介しよう。


「段取り力」などのビジネス用語としても定着した段取りの“段”は、階段の“段”、もっと言えば石の階段造りからきている。その出来はどうか、昇り降りしやすいか、傾斜地に合っているか、費用はどうかなど、様々な面から評価して「段取りが良い、悪い」というようになった。次第に工事全体における手際の良さや進行を指すようになる。


「棚上げ」の棚は、建築的には物を載せるために板を平らにして渡したものを指す。これが商いで使われるようになり、床に商品を並べるのではなく、棚に陳列して、道行く人々にモノを見せる「見世(店)棚」とした。後には棚が略され、商いを行う家を「見世(店)」と呼ぶようになった。店のことを「たな」というのは、棚があってこそ店だといわれる経緯に由来するのかもしれない。


「縄張り」は文字通り「縄を張ること」が語源。城巡りが好きな方は、築城の際、ベースとなる計画のことを「縄張り」と呼ぶことをご存知だろう。城郭を建築する際の基本計画と建物の配置計画のことを指している。


「畳み掛ける」とは「物事をつづけざまにする。相手に余裕を与えずに行う」こと。畳はどうやっても畳むことができないのに、なぜ畳み、さらに掛けるのだろうか。また、衣服などを片づける際にも「〜を畳む」というのだろうか。「畳む」を調べてみると、折り返し重ねることに加えて、積み重ねるという意味もあるのだ。「掛ける」は「仕掛ける」という意味もあり、「畳み掛ける」とは、重ねて仕掛ける、つまり「物事をつづけざまにする」という意味になる。


「縁を切る」。「縁」は座敷の外側の板敷き部分、雨戸やガラス戸の内側に設けたスペースを「縁(側)」といい、外側の板敷きスペースを「濡れ縁」という。車道や歩道、安全地帯の境界線として路肩にしかれるコンクリート製の棒状の石は「縁石」と呼ばれる。そして建築用語でも「縁を切る(縁切り)」という言葉がある。すまり部材と部材を離すこと、もしくは間に異質の材料を挟んで振動や音、熱が伝わるのを防止することなのだ。例えば、タイルの目地、水回りの排水管、免震技術など、建築では、「縁を切る」ことは住まいの性能を高める、意味あることなのだ。


その他、「仕切る」「落とし込み」「叩き上げ」「適材適所」「根回し」「洗い出し」「釘を刺す」「几帳面」など。

いや〜ここまで、建築の語源が我々の生活に密着した言葉の語源になっているとは!!!超オススメです。(・∀・)