「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「燃える闘魂」(稲盛和夫)

タイトルを見て、アントニオ猪木さんの自叙伝かなあ?と思ったら、トンデモナイ!あの稲盛和夫さんの本なのだ。創業以来54年間黒字の京セラ。その京セラ、KDDIで売り上げ5兆円、雇用9万人以上を創出。そして日本航空の「奇跡の再建」……。「最強経営者」稲盛和夫の経営哲学の決定版。そのエッセンスを紹介しよう。


・中国、韓国等の近隣諸国の隆盛に比べるなら、近年の低迷ぶりがあまりに際立つ。社会全体の閉塞感も気になる。なぜ、このような彼我の逆転が起こり、格差が生じてしまったのか。一体、何が違ったというのか。私は、それは心の在りようの違いではなかろうかと考えている


敗戦の廃墟から身を起こし、わずか二十年あまりで世界第二位の経済大国になった鮮度の経済成長の立役者が、松下幸之助氏、本田宗一郎氏、井深大氏など、強烈で強く熱い「思い」を持った起業家たちであった。彼らは身の丈以上の目標を掲げ、その実現のため、一心不乱に事業活動に邁進した。十分な経営資源に恵まれなくとも、歯を食いしばり、知恵を絞り出し、いかなる経済変動にもたえぬき、事業を存続させ、伸ばしていった。


わが京セラも、創業から今日まで54年間、一度も赤字がなく他界収益性を維持してきた。最高では40%を超える利益率を記録し、売上が一兆円を超えた今でも、ほぼ二桁以上の高い利益率を保持している。それは、「いかなる経済変動にも絶対に負けるものか」という強い「思い」に起因すると、私は考えている。


・現在の日本経済、日本の社会にとって、何が一番足りないのか。それは、不撓不屈の心である。何があろうとも、それを乗り越えていくという強い意志、勇気、気概が、日本企業のリーダーに欠けていたことが、現在の停滞感、閉塞感漂う日本の経済社会をもたらした真因ではないか。「なにくそ、負けてたまるか」という闘争心、いわば、「燃える闘魂」である。


・わたしには、日本航空の倒産といまの日本経済の状況とが二重写しに見える。それは、社内の「倒産した」という実感のない、どこか人任せの雰囲気である。


ものごとをなそうとするには、みずから燃える人間でなければならない松下幸之助氏も井深大氏も、燃える闘魂を心に秘め、強烈な意思をもち、数々の困難を克服していった。そんな先人たちの凄まじい熱意、情熱、闘魂が、ものごとを成就していく原動力となり、企業を成長発展へと導いていったのである。経営ぐらい、ボクシング・レスリング・相撲などの格闘技にもにた闘争心が必要なものはない。ビジネスの世界で勝つには「何がなんでも」という気迫で、なりふり構わず突き進んでいくガッツ、闘魂がまずは必要である。燃える闘魂をたぎらせ、誰にも負けない努力をした者が生き残り、闘魂なき者、努力しなかった者は絶えていくしかないのである。


メラメラと静かに燃える炎。熱量が伝わる一冊。オススメです。(・∀・)