漫画の神様、手塚治虫。その昔、小学生の頃、マンガを描いていて手塚賞、赤塚賞を目指していたっけ。(・∀・)
さて、この本は手塚作品の中でも異色の本。この年になるまで知らなかった!もっと早く読んでいればよかった…。
「第二次世界大戦復員後、GHQの秘密工作員として働く天外仁朗。久しぶりに帰る天外家は、人間関係が汚れきっていた。呪われた出生を背負い、運命にもてあそばれる奇子。地方旧家、天外家の人々を核に、戦後史の裏面を描く問題作!」その第二巻に描かれたエッセンスを紹介しよう。
地下牢の中で、幼虫からさなぎに、そして蝶に変身していく奇子。逃亡した仁朗は、朝鮮戦争の混乱に乗じて、暗黒街にその地位をきずいていく…。罪のために罪をかさねつつ天外一族は歴史のうねりにもてあそばされる。
奇子は土中の地虫が何度も脱皮するように
急速に少女から 成熟した女に変身していった
しかしその様は異様であった
みなさんは生後間もない乳呑児が
からだに外傷も汚点もなくつややかで
未完成のみずみずしさに充ちていることをご存じであろう
奇子がちょうどその状態に似ていた
なんの損傷も はげしい作業による疲弊もない彼女の肉体は
幼さとひよわさの中に
マネキン人形のような 人間ばなれした
清潔さをもっていたのであった
あの戦後最大の事件、下山事件のストーリーと並行して進むのもじつにオモシロイ。実際にこんなことはあったのかもしれないね。手塚ファンはもちろん、手塚作品未経験者にもオススメです。(・∀・)